log 2007. June.

フェムトセカンド

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下に降りるほど古くなります。

■2007/6/30 土曜日

メモ

読んだ本***
6/15 「ジョゼと虎と魚たち」田辺聖子
6/14 「診たて違いの心の病―実は栄養欠損だった! 」溝口 徹

観た映画***
6/4 「大日本人」
6/1 「ジョゼと虎と魚たち」

行った展覧会***
6/17 藤森建築と路上観察

■2007/6/30 土曜日

ASSCを終えて

三日前にラスベガスから帰国しました。

ラスベガスの日差しは殺人的な強烈さでした。だけど湿度が全然低くて、日本のようなじめじめはなく汗をかかないので、その分快適だったかもしれません。一方、ホテルの中は冷房がガンガンで寒いくらいでした。

ポスター発表はなんとかこなせました。五、六人にフルで説明しただろうか。うまくいったのかどうかよくわからない。そもそも主張したい内容があまりないので、それに対するリアクションを期待できず、手応えがなかった。

甲子園球児は、大会が終わった次の日から次の甲子園に向けて動き出す。10月のSfNではもっと実りのある発表をできるよう精進しよう。

■2007/6/22 金曜日

ラスベガスへ

日記を書いてる余裕がまったくなかった。過ごした時間を振り返って書き留めておくわずかな時間すら惜しかった。今日の夕方の便でラスベガスへ発ちます。それなのにポスターは未だ完成せず。

■2007/6/19 火曜日

梅雨なのに快晴続き

暑い。喉が渇く。

ASSC目前。それなのに疲れてばかりいる。下の右奥の親知らずが成長している。上の親知らずは両方とも生え終わっている。

田辺聖子の短編集「ジョゼと虎と魚たち」を読んだ。(6/15)

「ジョゼと虎と魚たち」は短編集で、 9個の短編が収められている。 その内のひとつが表題作の「ジョゼ〜」であり、 映画化もされた作品。 (映画も先日みた。)

9個の短編、すべてよかった。田辺聖子というひとは妖怪のお化けみたいな顔をしているくせにこんなにも濃密で美しくせつない話を書く。

なんといっても谷崎潤一郎並に淫靡だった。でも谷崎のようなどす黒い淫靡さではなくて、濃密なんだけども手触りはむしろさらさらとした感じの淫靡さで、現代的なディタッチメントや洗練がある。登場人物はみな関西弁をしゃべり、 それがなまめかしさを一層色づける。会話文以外の文体は古風な感じで、池波正太郎の文体を感じさせたりする。それが作品を貫く緊張感を生み出している。

「ジョゼと虎と魚たち」という短編は、谷崎の「春琴抄」の現代版みたいだと一瞬、思った。女は足が不自由で、すっごい我が儘。それを男が熱心に面倒を見る。だけど「春琴抄」のような陰惨さや希望の無さはない。もっと明るい。

解説で山田詠美が書いているように、作中の女達はみな、「素敵な二重人格者」である。その二重人格を、女のしたたかさと純情さを、爛れそうに熱い情感を、あんなにも見事に描いた田辺聖子はすごい。ほんとにもう、あなどれん。妖怪のお化けみたいな顔をしているくせに

藤森建築と路上観察を見に行った。(6/17)
藤森建築と路上観察

■2007/6/14 木曜日

間違い探し

ものすごい勢いでグラフを作る。が、回帰直線の計算と決定係数のところでつまずく。ネットでいろいろ調べて初めて決定係数の意味がわかった。というか「Rの二乗」と呼んでいるものが実は「重回帰係数の二乗」という名前で、それは別名「決定係数」と呼ばれていることを初めて知った。昔の確率・統計の授業でそんなことをやったきもするが、もうさっぱり忘れている。

回帰直線の式はどつぼにはまった。自分で計算しようと思えば傾きと切片の式は導き出せるけど、そんなめんどくさいことやってられないのでネットで調べた。で、参考にしたページがこれ。
http://oweb.u-shizuoka-ken.ac.jp/%7Etateyama/lecture/STAT/correl/index.html
がんばってプログラム組んで、計算してもエクセルで検算した値とどうしてもあわない。関根さんに本を借りたりして、結局自分で手計算してみたら、参考にしたページの式が間違っていた。ふざけんなー!これはページを作っている人に指摘しなければと思ってメールアドレスを探したがどこにも書いていなかった。ので、ここで指摘しておく。

間違いは二カ所ある。
ひとつめはy=ax+b の a=なんたら 、b=なんたら とかいてあるのだけど、まず、この a と b の示しているものが逆。
ふたつめは、もとのページのa=の式の分子の第一項のΣx^2・Σy^2 が間違ってて、正しくはΣx^2・Σy。

決定係数に関してはこのページが参考になった。
http://case.f7.ems.okayama-u.ac.jp/statedu/hbw2-book/node7.html
だけど、このページも本質的ではないが計算ミスがある。ページ中の式1.15の右辺のプラスはマイナスの間違いである。ふう。そういえば、統計の先生がネットの確率・統計に関するページは数式の間違いだらけって言ってたっけ。まあ、情報を提供してくれているので悪く言うつもりはないけど、しかし、ちょっと困りものなのは確かである。

■2007/6/14 木曜日

ひさびさの朝

昨日は知能システムか学専攻の今年度(2007)最後の専攻説明会だった。珍しく茂木さんがそれにでるというので、すずかけに参った。ポスターの前で学部生を相手に茂木さんがいつもの調子で説明をして、最後の頃には軽く人だかりができていた。

説明会終了後、D部屋で研究の話を茂木さんに聞いてもらった。茂木研に入って一年とちょっとたった今にしてやっと、そのような機会に恵まれた。そんなことはどうでもいいと、あなたは言うかもしれないけれど。ホワイトボードの前で実験の説明をして、実験データをまとめた図を貼って、すっごい早口でしゃべった。しゃべればしゃべるほど上手く伝わっていないような気がして、さらにしゃべってしまって頭の中の声と口から発している声とがこんがらがる。

自分が「自己相関の図」と呼んでいるものが実は普通の意味での「自己相関の図」ではないのかもしれないとわかった。新しい図の描き方を2,3提案してもらった。茂木さんが以前から「履歴依存性をみろ」と言っていたのはわかっていたのだけど、その具体的な意味がやっとわかった。

昨日そうやって喋ってみてなんだかふっきれたような気分になった。自分のやっている研究にまったく自信が持てなくて、「自分はなんてくだらないつまらないしょうもない研究をしているんだ!昔の研究室のやつらが見たらきっと笑われる!あんなことをするためにあいつは研究室を出て行ったのかと笑われる!」と思っていたけど、もうそうやって気にするのにも疲れたというか、実際このみすぼらしい姿を受け入れる以外はないんだと、学会発表間近のこの時期にやっと悟った。泣いても笑ってもこの内容で公の場で発表するのである。恥ずかしいだのなんだの言っていられなくて、これがわたしが1年とちょっとの間考えた成果ですと、笑いものになるのを覚悟でありのままの姿を晒すしかないのでしょう。

それはさておき、最近は自炊に精を出している。これまで一年間と3ヶ月の一人暮らしを通して、それまでの自分の不摂生が表面化してきているのを感じている。やはり自分は食事をぞんざいにしすぎていたなあと。「砂糖は脳の栄養〜」というキャッチコピーが流布しているけど、あれはよくない。砂糖が脳の栄養になるのは確かなんだけど、だから砂糖をいっぱいとりましょうというのは良くない。砂糖のようなエネルギーとして利用しやすい形の糖質ばかり摂っていると、脂肪やグリコーゲンなどのエネルギーとして利用しずらいものを変換する機能が衰えていく。そうすると利用しやすい糖質ばかりに頼る体になってしまい、持久力がなくなり疲れやすい体質になってしまう。最終的には血糖の調整機能が崩壊して低血糖の状態になり、精神疾患の症状を呈するようになる。

診たて違いの心の病―実は栄養欠損だった!
溝口 徹 (著)
溝口先生の本を読み終わった。

■2007/6/12 火曜日

栄養

土曜日に講演会に行ってきた。「新宿溝口クリニック院長 溝口徹のブログ」このブログの著者の方が開いた講演会で、栄養・低血糖と精神疾患の関係についてのお話。統合失調症の原因についてははっきりしたことは少なくとも教科書レベルではわかっていない。カンデルの60章には栄養のことは書いていない。でも何かの教科書で細菌の感染によるものかもしれないし、栄養によるものかもしれないし、遺伝によるものかもしれない、などと曖昧なことが書いてあったのを読んだことがあった。これを読んだとき「細菌の感染や遺伝はわかるけど栄養???」と思ったものだけど、いまはかなりのリアリティーをもってその関係性がわかる。統合失調症の症状はビタミンB群や亜鉛の欠乏でも起こりうること、何故なら神経伝達物質の合成に必要な酵素はビタミンB群や亜鉛が重要な要素であるからだ。しかし、通常の血液検査ではそれらの栄養素の欠乏は見落とされてしまう。それを見極めるにはある一定の知識が必要だからだ。また低血糖状態でも統合失調症のような症状はおこるし、うつ病やパニック障害のような病態も呈する。低血糖は正常な糖代謝が行えないことから起こる。

講演会の後、ボーイスカウトのキャンプに遅れて参加した。雨の中キャンプ。練習のためにスカウトがたてたA型テントがあって、そっちに寝る人はいなかったので、オレはマーキーではなくそっちで寝た。だけど雨が強くなって途中で雨漏りしてきた。A型テントは、適切に立てられていれば雨漏りはしない構造なのだが、まだ立て方が未熟だったのだろう。外に出て張り直すのも億劫だったので雨漏りしていないスペースに移動して寝た。6月の気温で雨降りだと夏用の寝袋では寒い。そして日曜日は桶をひっくり返したような土砂降り。もともと喉が痛かったところに拍車がかかり、次の日見事に風邪を引いた。げほげほ。ここのところ月に一度は風邪を引いている気がする。昔はこんなに弱い体じゃなかったはずだが。

今日はCSLに来てみたが、茂木さんは取材中で話は出来そうになかったので見切りを付けて東大本郷に行った。話をしてくださったのはこのブログの著者の方。「ふじいさんのブログ:Brain Hacks」サルの実験の様子の動画はおもしろかった。次々に独創的な実験にチャレンジされているのが印象的だった。解析はひとまずおいといて、思い付いたことをばんばんやっていってしまう姿勢がいいのだと思う。

ASSCまであと10日か。

■2007/6/8 金曜日

収穫は自分の話をできたこと

オープンハウス終了!茂木さんをはじめ、茂木研の面々、CSLの面々はへとへとの様子だったが、やり遂げたぞ、という高揚感に満ちていた。かく言うオレはポスター発表もせず茂木研ブースをぶらぶらしていただけなので、大した疲れもなく、達成感もなかった。

でも収穫はあって、CSLの方々と話が出来たことはとてもよかった。マサガキさん、シオノザキさん、オオヒラさんなどかなり面白い人たちだということが判明し、俄然CSLがすきになった。

張さんと研究の話をしてEEGを一緒にやって勉強させてくれるという話もできたし、トミオカさんという方を茂木さんに紹介してもらって、微生物の話ができたのもよかった。居酒屋での飲み会ではイシヅさんと研究の話をした。基底核ループのことや運動障害のことを知ってらして、それを精神疾患にも拡張した場合の話など興味を持って聞いてくださった。EEG関連のこともいろいろ聞けてためになった。

自分が考えていることに自信がもてず、人に話せずにいたが、今日は陽気な雰囲気だったので話すことができた。それが今回の一番の収穫だったのだと思う。

■2007/6/6 水曜日

ASSCへの旅程

http://assc2007.neuralcorrelate.com/
ラスベガス行きの詳細がわかった。6/22に日本を出て、6/27に帰ってくる。ロサンゼルス経由で一回乗り継がなきゃいけないみたい。

--2007/06/22
18:45 - 12:50 東京/ ロサンゼルス (シンガポール航空)
16:45 - 17:52 ロサンゼル / ラスベガス (USエアウェイズ)
--2007/06/26
10:38 - 11:45 ラスベガス / ロサンゼルス (USエアウェイズ)
14:35 - 18:00 ロサンゼルス / 東京 (シンガポール航空)
(06/27着)

あーあ、初日の夕方につくので申し込んだチュートリアルには出られない。キャンセルできるんだろうか・・・。

Your abstract "Temporality in voluntarily initiated movements." has been assigned a poster presentation in the "Sensorymotor" session. You are scheduled to attend your poster on Sunday, 24 June 2007 at 11:00-13:00.
というわけで、ポスター発表は
6/24(日) 11:00-13:00 @ Sensorymotorセッション
For those of you who are presenting posters at the meeting, the dimensions of the poster board available to you will be: 4 ft. X 4 ft. (122 cm X 122 cm). The boards will be white TACK boards, and please supply your own tacks and/or pins.
というわけで、
ポスターサイズ:122 cm X 122 cm、画鋲持参。
ちなみにA0は 84.1cm X 118.9 cm

今日もCSLに来ている。文化祭前日のような雰囲気。特にやることがない。新たな実験プログラムはできたので、やってもらわにゃ。

■2007/6/5 火曜日

息切れコーディング

授業だ!遅刻だ!と勢い勇んですずかけ台に行ったが、曜日を間違えていた。教室に入った瞬間、知らない先生、いつもと違う座席の埋まり方。ドアを開け、再び締めてとりあえず一呼吸。そうだった、この授業は木曜だった。あっけなく退散。

すずかけのD部屋でしばしプログラムに没頭。Objective-Cは諦めてC言語とOpenGLを使ってプログラムを書くことにした。OpenGLなんてわかんねーと思っていたが、中村研の先輩に何度も教えてもらって、だんだんとつかめてきた。参考にしたページはこれ。
GLUTによる「手抜き」OpenGL入門
このページにあるサンプルコードをコピペするだけで動いてしまった。感涙ものなり。かなり懇切丁寧に書いてあるので、役に立ちます。

すずかけから品川に向かう電車の中でもひたすらコーディング。C言語にしてもJavaにしても手続き型な実行方式だが、GUIのプログラミングになるとイベントドリブン型の実行形式になる。だから時間軸にそってプログラムの挙動を考えていくという従来の考え方とは相容れないのでそこが一番戸惑う。それでもすこしづつわかってきた。

品川のソニー本社でソニーCSLオープンハウス2007のシンポジウムをちょっと覗いた。着いたときには既に講演は全部終わっていて、パネルディスカッションだけだった。

その後CSLに移動。コーディングしたり、学生部屋のお片付けをしたりする。ほんのちょっとだけ茂木さんに研究の話を聞いてもらえた。そしてまたいつものごとく、「じゃあ!」といってさっさと行ってしまった。石川とふたりで「ひどいよね」とぼやいた。

今日は久々に石川といろいろと研究のことを議論した。ふたりともろくに研究の話をすることがないので、そうとう色々溜まっていたのだと思う。

相変わらず、どこをどっちに向かって走っているのかわからないが、それなりに早い速度で走り抜けた感じがした一日だった。

■2007/6/4 月曜日

わけもわからず、月日ばっかり過ぎて

日記があまり書けないのは、自分が今何をやっているのかわかっていないから。いま自分がどんな姿勢でどんな表情でどんな道をどっちに向かってどんな速さで走っているのかわかっていないから。正直、よくわからん状態に今なっている。自分の状態と行き先を把握しておかないと行動の最適化はできない。今自分がやっていることは全部自分の手には余ることのような気がして、到底期限には間に合わないような気がして。これから先やっていくにあたって、圧倒的に力不足な気がして。もうこのプランはとっくに破綻するのが決まっているような気がして。ただ破綻が目に見える形ではまだ表れてないだけなような気がして。

と、やっと今の息苦しさを「わけがわからない」という言葉で表現できるようになったのが、ひとつの発展なのかもしれない。

M1に会うといつも課題に追われている。去年自分も通った道だから、よくわかる。だから言ったでしょーと言っても、それで彼女たちの作業がはかどるわけでもなく、何もできない。もっといろいろアドバイスをしてあげるつもりだったが、そんな余裕が今の自分にはない。いろいろな締切に追われて、自分のことで精一杯だ。M2がこんなにもプレッシャーがかかるものだとは思わなかった。きっと修論発表なんてあっという間に来てしまう。そんで死ぬほどあたふたしている姿が目に浮かぶ。いままではどうにかなってきたけど、さすがに今度はダメかも知れない。そんな気がしてならない。

映画を二本観た。
6/1(土):ジョゼと虎と魚たち(DVD)
6/4(月):大日本人(渋谷Q-AX)

■2007/6/2 土曜日

スカイプはじめよう

いろいろと今後のことを考えてスカイプを始めようと思う。というわけで、実家用と自分用にふたつ受話器を購入ー。もうすぐ学会で海外に行くので、海外から電話するときに重宝するだろうと思う。時差の問題とかはあるけど。

新たな実験のプログラムをつくるためにObjective-Cというプログラム言語を覚えようとしている。JavaやCやC++の関連書籍は山のようにあるのに、Objective-Cに関しては雀の涙ほどしかない。とりあえず一冊本を買ってみて、3時間ぐらい真剣に読んでいたらなんとなくつかめてきた。Javaと同じくObjective-Cはオブジェクト指向言語なのだけど、ふたつの違うオブジェクト指向言語に触れることで、それの理解が深まった。

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野澤真一