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暑い。喉が渇く。
ASSC目前。それなのに疲れてばかりいる。下の右奥の親知らずが成長している。上の親知らずは両方とも生え終わっている。
田辺聖子の短編集「ジョゼと虎と魚たち」を読んだ。(6/15)
「ジョゼと虎と魚たち」は短編集で、 9個の短編が収められている。 その内のひとつが表題作の「ジョゼ〜」であり、 映画化もされた作品。 (映画も先日みた。)
9個の短編、すべてよかった。田辺聖子というひとは妖怪のお化けみたいな顔をしているくせにこんなにも濃密で美しくせつない話を書く。
なんといっても谷崎潤一郎並に淫靡だった。でも谷崎のようなどす黒い淫靡さではなくて、濃密なんだけども手触りはむしろさらさらとした感じの淫靡さで、現代的なディタッチメントや洗練がある。登場人物はみな関西弁をしゃべり、 それがなまめかしさを一層色づける。会話文以外の文体は古風な感じで、池波正太郎の文体を感じさせたりする。それが作品を貫く緊張感を生み出している。
「ジョゼと虎と魚たち」という短編は、谷崎の「春琴抄」の現代版みたいだと一瞬、思った。女は足が不自由で、すっごい我が儘。それを男が熱心に面倒を見る。だけど「春琴抄」のような陰惨さや希望の無さはない。もっと明るい。
解説で山田詠美が書いているように、作中の女達はみな、「素敵な二重人格者」である。その二重人格を、女のしたたかさと純情さを、爛れそうに熱い情感を、あんなにも見事に描いた田辺聖子はすごい。ほんとにもう、あなどれん。妖怪のお化けみたいな顔をしているくせに
藤森建築と路上観察を見に行った。(6/17)
藤森建築と路上観察
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Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1