4th.April.2006

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■2006/4/4

■ 食い倒れ数歩前

いまさらですが、ちょっと前に大阪に行ったときの旅行記です。 大阪に行くことになったいきさつについてはこれを参照。

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2006/04/flower_pig_ee0f.html

帰りの新幹線の中で3時間、ずーっと書いていたが書き終わらなくて、 そのまましばらく放置していました。 いい加減終わらせようと、曖昧な記憶を頼りに完成させました。 たいした内容ではないですが、ちょっとした大作かなと思っています。 いや、ええ、ほんと、ナイーブな感想を書き連ねただけなんですが、 量がね、量が<大作。 お時間があるときにでも読んでいただけたら幸いです。

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きのうの夜、茂木さんから電話がかかってきて お使いを頼まれた。 で、今日、大阪まで行ってきた。 なんでも急いで「木の板」を大阪の鳳(オオトリ)という 場所に届けなくてはいけないらしい。 どの程度そのことを書いていいのかわからないので、 その辺ははぶく。 これはその旅行記。

10時半 五反田のCSL。

オレが運ぶことになる木の板を渡される。 目の高さぐらいある木の板を 茂木さんが大きなポリ袋とガムテープで ”梱包”してオレに手渡した。 なんだか楽しそうなことになったなぁ と思って荷物を受け取ってさっさか出発した。 せっかくプリントアウトしてくれた 鳳周辺の地図を忘れてしまった。 歩いていると「地図を忘れているぞ」という電話が 入ったが、なんとかなりますと答えて戻らなかった。

品川駅前の金券ショップで 東京ー新大阪の往復新幹線チケットを買う。 定価より片道900円安いらしい。 もっと情報収集をすればもっと安い行き方は あるだろうが、 あまり時間をくってもよくないのでそうしてしまった。 飛行機のほうがもしかしたらよかったのかもしれない。 最初は混んでいて座れなかった。 そのチケットは指定席券なのだが、 あらかじめみどりの窓口で手配しないと自由席扱いになってしまうらしく チケット買ってすぐに列車に飛び乗ったことに後悔した。 品川ー三島ー静岡あたりで空いてきて座ることができた。 列車に乗る前に急いで買った とんかつ弁当とエビスビールを食う。

途中で見えた富士山は まだしっかりと白い衣装をまとっていた。 当たり前だが、 距離が近いので普段より大きく見える。 ただそれだけのことでうきうきした。

食べてからは寝たりぼんやりしながら過ごした。 何もする気が起きなかった。 せっかく空いた時間用に本を持ってきたのに 何もしなかった。

14時半 新大阪。

新幹線を降りて、とりあえず路線図をみる。 実は大阪に来るのははじめてだ。 素通りしたことは何度かあるが、 きちんと訪れるのはこれがはじめてだ。 携帯で調べたら、新大阪駅から鳳駅までの径路はわかるのだが、 いまいち信用できないし、 できるだけ新幹線の乗車券でいけるところまで行きたい という思惑もあり、携帯の径路を参考に径路を考える。 とりあえず、環状線に出るのがいいみたいだ。 大阪にも環状線があるんだ!と新鮮な発見。 新大阪駅から環状線の通る大阪駅へ移動。 次に向かうは天王寺駅。 大阪駅と天王寺駅は環状線上で正反対の位置にあって、 どっち回りで行っても変わらなそうだったので 電車が来ていた方に乗った。

見る景色は、日本のそれだというのは確かだけども、 見慣れている埼玉や東京のそれとは違う。 ”見知らぬ土地にいる”という思いがそう思わせている という解釈は否めないけれど それでもそういうのをさっぴいても 異質な感じがする。 見慣れている景色、というよりは 関東の景色との違和感のほうが適切かもしれない。 建築や都市設計のコンセプト自体が違うのだろうな という感じがする。

何がどう違うかということはexplicitに表現できるほど はっきりと自覚できない。 にも関わらず、脳は何かしらのアルゴリズムで 情報から特徴を抽出し、違和感を生成している。

天王寺駅についた。 後は阪和線で一本である。 ちゃんちゃんちゃんと 隙なく無駄なく乗り換えた(つもりな)ので 乗り継ぎはこれで最後だから こっから先は普通列車で すこしゆっくり行こうかと思ったが、 路線図をみると天王寺駅から鳳駅までだいぶある。 鈍行でちんたら行ってたら遅くなる!と思って 急いで快速のホームに移動した。

15時半 鳳(おおとり)。

たくさんの桶板1 たくさんの桶板2:左から6番目が茂木さんの 鳳駅に着いて、東口に降りる。 目的地はとある工場らしいんだけど、 そこにつとめる鈴木さんという女性の方が 車で迎えにきてくれていた。 鈴木さんはとても明るくて活発な方で とても話がはずんだ。 工場には茂木さんの「木の板」以外にも いろいろな方からの「木の板」が すでに届いていた。 その顔ぶれを知って驚愕した。 もうとにかく、世間に疎いオレでも知ってる 有名人ばかりだった。 (首相とか都知事とか、 有名なデザイナーとか、 有名なアニメの監督とか、 有名なソムリエとか、巨大ポータルサイトの社長とか 負けてばっかの元横綱の格闘家とか) 鈴木さんと一緒に写真を撮ったり、 コーヒーをごちそうになったりして、 また駅まで送っていただいた。 車中では鈴木さんの息子さんの話をきいた。 大学生になった息子さんがいるそうである。 一人暮らしで離れて暮らしている息子さんのことを気にかけてらして、 息子想いのいいお母さんだなと想った。

桶については以下のページを参照のこと。
いまさら桶を考える会

さて、茂木さんに 「ミッションコンプリート」とメールを出し、 ここからは観光に励むことにする。

17時 大阪港。

鳳から阪和線を天王寺まで戻り、 環状線に乗って、弁天町駅。 そこで地下鉄にのって大阪港駅へ。 環状線の西の外側。 海遊館という水族館に行った。 茂木さんとAyako嬢に推薦されたので。

海遊館の様子 たぶんオレは、水族館というところに入ったのは 生まれて初めてだと思う。 入館料2000円。正直、高いと思った。 でも、水族館の内容はすごくよかった。 太平洋を陸沿いにぐるっと一周する環太平洋火山帯が モチーフになっていて、 日本から始まってオホーツクのあたり、 カナダ、アメリカ西海岸、中米、南米、 南極、ニュージーランンド、オーストラリア、 また日本にもどってきて瀬戸内海、日本海溝 という風に、各地域の海を再現して、 そこに棲息している魚たちを鑑賞できるようになっている。

熱帯のグロテスクなまでに原色に輝く魚もいるし、 南極のペンギンやアザラシもいるし、 寿司屋で食べるような日本でおなじみの魚もいるし、 深海に棲んでる異様にでかくいカニもいるし、 グレートバリアリーフの珊瑚はあるし、 茶色い毛の固まりのようなナマケモノはいるし、 賢そうなイルカも巨大なジンベイザメも 多様なクラゲも俊敏に泳ぐカツオも 間抜けの化身のようなマンボウも、 とにかくいろいろな水棲生物をみることができた。 どれもこれもテレビや本など様々なメディアを 通してみたことがあるものだけれども、 まさに百聞は一見に如かずという感じで、 実物を見ると圧倒される。 それと同時にいろいろなことを考えてしまう。

環境が違えばそこにある生態系はガラっと変わるし、 本当に目を見張るほど多様な戦略をとって 個々の生物は生存している。 そういうことをまざまざと学べる水族館だった。 それぞれの個体を見ていると、 それぞれが実にユニークだけど、 その一方で何かに似ていたりする。 そういう時は、ダーウィンの進化論に思いを馳せてしまう。

イルカが高度な知能を持っているという話は、 よく聞く話だけど、あまりその手の話はすきではなかった。 話を単純化しすぎる気がして。 だけど、実際にイルカが動く様をみていると、 確かに、とうなずいてしまった。 なんというか、動き方が アニミスティックに表現しやすい気がする。 オレがみたイルカは、 陽気なお調子者で、サービス精神旺盛 という説明がぴったりだと思った。

その一方で、ひたすらぼーっとしてるだけの魚もいて、 そういう奴らは生きていると表現するのが はばかられるような感じがした。 単なる精巧な生体高分子製機械。 その説明からこぼれ落ちるものが何も ないかのような生き物。

その他雑感。 アザラシが寝ているのを見ると、 巨大なカツオブシに見えた(笑)。 ペンギンの毛を刈って服にしたら ものすごく暖かいのではないだろうか? ペンギンたちは冷凍室のような冷気の中でひたすら突っ立ってガクガクふるえていた。 ダイビングがしたい! 今回見たのに対応するそれぞれの地域で 実際に潜ってみたい。

水族館から出てくる頃には、へろへろだった。 朝から動きっぱなしだ。 水族館のすぐ近くに「なにわ食いしんぼ横町」という いかにもぼったくられそうなモールがあって とりあえずそこで何か食べることにした。 お好み焼き、ラーメン、名物のお菓子など、 様々なお店があって、案の定、高かった。 うーん、どうしようかなと思ったが、 餃子屋さんは値段が手頃だったので そこで餃子を食べた。 餃子はボクの好物です。 べつの店で「豚まん」ならぬ「牛まん」というのが あったので買ってみた。 イマイチ。

さて、とりあえず軽く腹ごしらえしたところで、 何かうまいものでも食いにいくことにした。 大阪のことは何もしらないのだけど、 先ほどの鈴木さんの情報によると「なんば」がいいらしい。 ということでとりあえず「なんば」に出ることにした。 しかし、雨がざーざー。 水族館から駅まではさほどの距離はないが、 なんだか雨の中徒歩で移動するのは躊躇してしまった。 大阪港からなんばまではさほど遠くないだろうという 希望的観測のもとタクシーを使うことにした。

19時 なんば駅。

タクシーは大失敗だった。 電車より早く着くだろうと思ったが ほとんど変わらないかより時間がかかってしまった気がする。 さらに、運賃が3000円もとられた。 ああ、読みが甘かった。

気を取り直してなんば駅周辺を歩く。 とても開発されている。 雰囲気としては都心の街よりは横浜みたいな感じ。 歩きはじめてみたものの当てはない。 なんばというところにくれば何かあるだろうという これもやはり希望的観測で来たわけだが、 なかなかオレの大阪初旅行ゴコロを満たしてくれるような 場所がない。 高島屋とか大きなデパートと ありふれたファーストフード店や居酒屋ばかりで、 大阪チックな場所はドコダ!

ふらっと小さな小道に入ったら 「カツうどん」のお店があった。 なんだか有名人がたくさん来るお店らしい。 「カツうどん」が大阪チックな気はしなかったし、 有名人御用達なお店はだからなんだとか思うタチなのだけど 雨でうわーんな気分だったし、 関西のうどんを食べてみたい気分だったので入って見た。

<ここからはあとから書いています。>

カツうどん うどんの上にカツがのっててまさにカツうどんでした。 でもカツの衣がすごくて、マクドナルドのフライドポテトのような パン粉(もはや粉じゃない)がついている。 これがサクサクでアツアツでおいしかった。 うどんも関西独特の薄味でよかった。 やっぱうどんは関西風のほうがよいですね。 ダシの味が深くて暖かい空気に包まれているような感じがする。

お店のオネーサンにたこ焼きのおいしいお店を教えてもらって 雨の中を歩く。 どうも靴の底に穴が空いてるらしく水が浸食してくる。 うわんポイント急上昇。

たこ焼き もはやカツとうどんでお腹いっぱいなのだが、 やっぱ大阪といえばたこ焼き、たこ焼きといえば大阪なので、 たこ焼きを食べることに。 教えてもらったお店でたこ焼きを購入。 15個入り500円(?)。 ともかく安かったことを覚えている。 基本的に持ち帰りだが、その場で食べる場所もあってそこでたべる。 15個は買いすぎだった。もっと小さいサイズにすればよかった。 いままで食べてきたものに比べてあきらかにおいしい!とは思えないが、 それでもいままで食べたものよりおいしい気がする。 特に表面のカリカリと中のトロトロのコントラストがすばらしい。

3分の2食べたところでギブアップ。 持ち帰りように包んでもらう。 さて、そろそろ時間もなくなってきたがまだ物足りない。 賑やかなその通りをうろついて何かないかと探す。 立ち飲みやが多いことに気付く。 「立ち飲み屋って大阪っぽくないか?」と勝手に思い、 トツゲキ隣の立ち飲み屋を強行。 立ち飲み屋だけあって、本当に立って飲む。 みんなカウンターに群がって思い思いの品を注文する。

オレはとりあえず日本酒を注文した。 それから「どて焼き」とか「串カツ」とか大阪っぽそうなものを注文。 一品100円前後で少量多品種を注文できるシステムなのがうれしい。 目を白黒させながら食べて飲む。 急いで飲み食いしなければならないのだが、いかんせん満腹すぎ。 もう味もなにもあったもんじゃなく、ともかく詰め込んで店を出る。

急いで地下鉄に向かう。 地下鉄に降りる階段がわからなくて、同じ所を何度も往復してしまった。 同じ場所に立って客引きをしてるキャバクラ嬢風のオネーサンと 何度も目が合ってしまった。 きっと変な人に見えたことだろう。

地下鉄は混んでいて、お腹いっぱいですこし酔って体が熱くて くふーくふーという感じ。 なんばから新大阪に移動して、ちょっとおみやげを買って最終の新幹線に乗った。 というわけでミッションコンプリート!

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