池袋の蕎麦屋から帰宅

2004-12-01 (mizu)

結局、まだまだだ。

JUDEの新しいアルバムを買って聞いてる。


***

悪い奴 毒を入れた みんな気がつかずに
飲んじゃった どうしよう 大変だ

***

いっそブラックホールで 抱き合おうぜ
タランチュラのギター よく似合ってるね


***

すごくいいんだ とらわれないってことは
魔法使いのサリーちゃんが言ってた

*****

ZHIVAGO

ギダネエ

2004-12-02 (Thu)

部屋がキタネエ。
キタネエどころかギタネエだ。
いやいやむしろギダネエ。
前代未聞に汚い。
あちこりホコリ積もってる。
本と紙と服とカバンとコンビニの袋とその他こまごましたものが
散乱している。
作業の効率を低下させている。


***

まわりくどい喋りかた好きだぜ
だってそれで少しボーっとできるし
バスケットシューズにひもを通してる間に
エビが丸焦げになっちゃうぜ Hey You

ZHIVAGO

DIE VERWANDLUNG

2004-12-03 (Fri)

フランツ・カフカの「変身」

12/17金まで

ロシア映画

http://www.eurospace.co.jp/detail.cgi?idreq=dtl1097813680

この瞬間の切実さ

2004-12-04 (Sat)

朝からとても寒かったので、
もう12月に入ったことだし、
エスキモーのコートを出した。
フードがモコモコしててエスキモーチックだからそう呼んでいる。

外気と直接接しているほっぺたや手がとても冷たい。
気のせいかもしれないけど、急に寒くなった気がして、
ものすごいスピードで2004年は終わりに向かっている、
と思った。
うっかり街をあるくと、
クリスマスのデコレーションにびっくりする。
そして、なんだかお正月のにおいが漂ってきそうな気がした。

そういえば親父に、
会社の年賀状をそろそろ作るように言われていたのを思い出した。
自分の分はともかく会社の分は遅くとも25日までに作らねば。

分子生物学のレポートを少しやってから、
広尾の聖心女子大に行った。
見ず知らずの知り合いが所属するギターアンサンブルの
定期演奏会を聞きに行った。
女子大の中に男一人で足を踏み入れるのは少し勇気がいった。

演奏はすこしぎこちない部分もあったけど、
真剣さが伝わってきて、
オレは彼女たちのお父さんにでもなった気分で聞いていた。
彼女たちがこの日のために一所懸命練習してきた様子が
透けて見えるような感じがした。
山あり谷あり、笑いあり涙ありだったんだろうなー、とか
勝手に想像したりした。
そしてそれは、自分が完全に失ってしまっているものだと思った。
そういう友達も時間も場も機会も失ってしまっている。

うらやましい気がした。
自分はもっと別なものを大事にしなければ
いけないんじゃないだろうか。
物理や数学や人間の頭の中身のことを追いかけるんじゃなくて、
もっと身近な生身の誰かとのつながりを
大切にすべきなんじゃないだろうか。
いまこの瞬間のかけがえのなさを、
もっと違った風にとらえなければいけないのではないだろうか。

暖かい日

2004-12-05 (Sun)

昨日の夜、激しい苛立ちに駆られて
携帯電話を思いっきり投げ飛ばして、
そのままほったらかして寝た。
起きてから見てみたら液晶が割れて、
右半分が映らなくなっていた。
ツカイヅライ・・・。

相対論のレポートをやっている。
光速以上で動く粒子を考えると、選ぶ慣性系によっては
因果関係が逆転してしまうことを示す問題を考えるのが
とても楽しかった。

∫(1-v^2)^(-3/2)dvを計算するのに思いのほか時間がかかり、
「アホになってる・・・」と思った。
置換積分するのが面倒そうでやだなと思って、敬遠しつつ
他の方法でやることばかり考えていて、結局時間を無駄にした。
実際に置換積分してみたら全然面倒じゃないし。


それにしても、嘘みたいに暖かい日だった。

めまぐるしく

2004-12-06 (Mon)

状況と心境がめまぐるしく変わる一日だった。

かつてないほど自分から積極的に人と話をした。
話を聞いてくれた方々に御礼を申し上げる。
(って、みてないか)

あさってには、否が応でもこの騒ぎは収束する。
自分でも思いがけない方向に収束するような、
実は心の底では望んでいたような、
どっちなんだか今となってはよくわからない。
でも、オレはわくわくしている。

二転三転また一転

2004-12-08 (Wed)

あっちにふられ、こっちにふられ、
やっぱり戻ってきたりして、今日、
研究テーマが決まった。
もしかしたら
今日をして
オレのモラトリアムは
終わったのかもしれない。

1限さぼり
2限はなし。
3限もなし。
4限は80分遅刻。
5限は受けられず。
6限はさぼり。
まったくまともに授業をうけない一日でした。

メモ

2004-12-09 (Thu)

http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/bio/research_qs.html

http://www.nottingham.ac.uk/quorum/
↓上のページの翻訳。間違いだらけで笑える
http://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=en&u=http://www.nottingham.ac.uk/quorum/&prev=/search%3Fq%3DQuorum%2Bsensing%26hl%3Dja%26lr%3D

三木成夫(みきしげお)
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0217.html

セレンディピティ

2004-12-11 (Sat)

いろいろある一日だった。

http://www.p-forme.jp/
ピカソ展・カラダとエロス
明日まで

ポータブルMDプレーヤーをなくしたので、
iPodを買った。
20Gのやつ。
http://www.apple.com/jp/ipod/index.html

「すみこさん」に繋げようと思ったら、
Fire Wire端子がないし。
あったと思ったのに(泣)
USBポートはver2.0じゃないと使えないので、
やっぱり「すみこ」にはiPodは繋げない。
結局、「でるお」にUSBで繋いで使っている。
すみこのハードディスクにある、
膨大な量の音楽データはどうやって移動しよう・・・。

iPodを使うと、録音の概念が一変する。
すごいすごい。すばらしい。
一緒に録音用のマイクも買ったので、
ボイスレコーダーとしても使っていこうと思う。

さて、壊れたケータイをドコモショップにもっていった。
学校の近場のケータイショップを物色してみたが、高い。
平均2万円。
FOMAからFOMAへの機種変更は
厳密には「機種変更」とは言わない。「買い増し」という。
movaからFOMAだと「機種変更」という。

 新規<機種変更<買い増し

の順に値段は高くなる。
いま出てる機種はとにかくでかくてごつい。
手になじまない、大きすぎて手に余る。
2万円も出して買いたくならない。全然ならない。
で、結局、修理に出すことにした。
ディスプレイの交換だけで8000円だが仕方ない。
しかし、電池の裏のシールを指差して、
濡れた形跡があるという理由で、
修理は受け付けないと言われてしまった。

ぎゃぼん。

肩を落としてドコモショップを去る。
池袋のケータイショップを回ってみた。
ドコモショップの店員さんが駅前にあるお店では
古い機種が格安で売ってるらしいと教えてくれたからだ。
とりあえず、心当たりのある店を回ってみた。
何年か前にあちこち比較して歩いたことがあるので、
その時の記憶を頼りに、池袋を放浪する。
が、古い機種どころか、そもそもケータイショップ自体が潰れてて、
別の店になっていた。

がぼーん。

なんか、時代の流れを感じる夕暮れであった。
結局、もう面倒になって諦めてしまった。
どっかにFOMA使ってて、タイミングよく機種変更して
それまで使ってた機種が余ってて、「困ってるならあげるよ」とか
言ってくれる優しい人はいないかしらと思ったが、
それはさすがに虫がよすぎるだろう。

FOMAにはFOMAカードというのがささっていて、
そのカードの中に、ケータイの電話番号やメールアドレスなどの
情報が入っているので、機種変更という概念がない。
異なる機種間でも、そのカードを差し替えれば、
それまで通りの電話番号で通話ができる。
だから、余ってるFOMAがあればそれで済むのだ。

と、思っていたら、棚からぼた餅。ひょうたんから駒。
うっかりFOMAからezwebに移行した人発見。
こっちの事情を知らないはずなのに、なんて偶然。
しかも、その方はとても気前のよろしい御仁であり、
譲ってくれるといってくれた。
今度の忘年会にもってきてくれるという約束をしてくれた。

氏に厚く、御礼を申し上げる。

余裕

2004-12-13 (Mon)

[win+iPod]に関する、役立つページを見つけた。
iPodにテキストを読み込ませて読もうと思ったら、
あまり長いテキスト(約5k以上)は表示できないらしい。
そこで、テキストを分割するソフトを探したら
そのものズバリなページを見つけた。

http://buin2gou.nyaa.co.uk/

**********

何気に近頃は忙しくなかったりする。
さぼりぐせが全然直らなくて、もう全然1限の授業にでてない。
つってももともと週に2日しか1限がある日はないのだけど。
そして週に2日は午後出勤とか。
こんなに怠けているのに余裕がないのは何故だろう。
いや、余裕はあるのかもしれないが、余裕を感じない。

とかいって、今日も映画を見てきた。
カフカの変身をみてきた。
思ったような作品ではなかったけれど、見られて良かった。
もっとロシア映画は見てみたいなと思う。

動揺

2004-12-14 (Tue)

iPodの悪い所
・イヤフォンジャックが抜けやすい

iPodのいい所
・イヤフォンジャックが抜けると一時停止状態になる

******

今日で3年生の実験項目が全て終わった。
すなわち学生実験が全部終わったと言うことだ。
開放感。

電車の中吊りにプルコギ鍋の写真が載っていた。
韓国料理特集の雑誌らしい。
そのプルコギ鍋をみて湧いたのは食欲ではなかった。
動揺。

キャシャーン

2004-12-15 (Wed)

友達に借りた「キャシャーン」のDVDを見た。

なんだよ!すごくいいじゃんか!

と思った。
見る前までは「映像はいい」という噂は聞いていて、
そのせいでストーリーや演出は
それほどでもないのかもなと思っていた。
しかし、期待は気持ちよく裏切られてくれた。

キャシャーンは
2時間30分の普段オレが見るものよりは長い映画だ。
そして、濃密な2時間半だった。
とても入念に隙なく、
そしてどの一秒も全力で情熱が注がれている。

映像は実写とCGが融合して描かれている。
実写の映像とCGの映像は異質だ。
だから普通ならばその両者が混ざると違和感がまとわりつく。
でもこの作品に置いてはほとんど違和感を感じることはなかった。
少なくとも違和感により鼻白んだり、気持ち悪くなったり、
むなしくなったりするようなことはなかった。
それはCGがリアルで実写映像と遜色なかったからではない。
その逆で、実写の映像がとても幻想的に処理されている。
フォトショップ的な彩度の調整や、わざと映像を粗くしたりとか
わざと光がにじむようにしたりとか、
モノクロにして白から黒の階調数を減らして不鮮明にしたり、
とにかくその場面に即したやり方で丁寧に処理が施されている。
秀逸だなあと思ったのが、
カラーとモノクロを行き来していたところだ。
やはり場面に即して両者を使い分けている。
カラーの場面は本当に色彩が豊かで美しい。
そしてモノクロになると色彩は消えるが、
今度は人物たちの生々しさが増す。
そして再びモノクロがカラーに戻ることで
よりいっそう鮮やかさは増す。
そのような効果的な画像処理が綿密に施されているが、
画像処理だけが秀逸なのではない。
実際のセットや衣装がとても凝っているのだ。
やはり、どんなに画像処理の技術があったとしても
もとの映像がよくなければ意味がないわけで、
映し出されるセットや衣装や特殊メイクは
色の構図はそれ以上ないほどの整合性をもっているし、
衣装や特殊メイクは視覚以上に強烈な質感を与えてくれる。
映像が幻想性をもち、かつリアルさを失わない。

では物語としてはどうなのかといえば、
少なくともオレは満足した。
「映像はいい」という噂を聞いたとき思ったのは、
「ストーリーはあくまで美しい映像を作るために
 でっち上げられたもので副次的なものにすぎない。
 だからお話が陳腐でも映像が美しければいいのだ。」
という“裏"の意味を連想した。
だけど、そんなふうに見るには手に余る作品だと思う。

こういう作品ではおざなりにされがちな
「ヒーローがヒーローとしての
 アイデンティティーを確立する過程」
をきちんと時間をかけて描いているし、
「憎しみは憎しみを生むだけ」というテーマも
予定調和な感じでは済まさずにきちんと掘り下げて、
製作者なりの結論を提示している。
誰か一人の価値観で話が閉じるのではなく、
登場人物ひとりひとりの背負っている文脈が激しくぶつかり合う。
そうすることで生じる「板ばさみ」や「どうしようもなさ」が
心を撃った。

映画館で観たかったと思う。


*******

こういう批評チックなことって、
「けっ、素人がわかった風な口利きやがって」
とか思われるだけなのであまり気が進まなかったのだが
このDVDを貸してくれた某友人が
「貸してやったんだから日記に感想書け!」
と脅すので仕方なく書きました。

というのは嘘です。
貸してくれたT氏に感謝。


CASSHERN

発見

2004-12-17 (Fri)

―――発見1
「リュックサック」はドイツ語だった。
ドイツ語で背中は「Rucken」(uはウムラウト)
「Sack」はドイツ語で袋のこと。
「背中の袋」で「Rucksack」。

―――発見2
韓国語で、「太郎さん」とか「花子さん」の「さん」は
名前のその位置に「シ」をつければよくて、
すなわち「太郎さん」は「タロウシ」に、
「花子さん」は「ハナコシ」になる。
それは前から知っていたんだけど、
その「シ」は漢字で「氏」と書くということを今日初めて知った。

*****

オレの敬愛する栗原先生が本を出したらしい。
みんな買いましょう。(まわしもの)

岩波講座 物理の世界 物質科学の展開〈6〉
超伝導でたどるメゾスコピックの世界


栗原研
http://www.phys.waseda.ac.jp/kh/Index.html

無題

2004-12-18 (Sat)

http://www.tobikan.jp/museum/firenze.html

読書ノート

2004-12-20 (Mon)

暮れも押し迫ってきたので、今年は早めに読書ノート発表。
(何のために?とかツッコムナ)
とりあえず1月と2月


http://melonsode.fem.jp/ms/book-his/index.html

読書ノート追加

2004-12-22 (Wed)

http://melonsode.fem.jp/ms/book-his/index.html

読書ノート、3月、4月、5月を追加。

「量子進化 Johnjoe McFadden」
脳の中に量子力学を適用すれば意識の謎を
解明できるのではないかと思っていた頃、
これを読んだら既にそういうことをやっているということが
書かれていて、すごくびっくりした。
当時受けていた量子力学の授業で、
先生がこの本を「量子力学の観測問題」についてよく書かれている
と紹介していた。
なかなかエキサイティングに読めた一冊。

「遥かなるケンブリッジ 藤原正彦」
壮年数学者のケンブリッジ大学での
1年間の滞在経験に関するエッセイ。
数学者というのはオレの中で霞を食って生きているような
イメージがあったんだけど、
そういうイメージとは全然違う、
人間的で日本人的なゴツゴツした人だった。
どこかしらうちの親父とダブる所があって
憎たらしかったりほほえましかったりした。
この人のエッセイは結構おもしろい。
もっと若いときのエッセイ「若き数学者のアメリカ」も
読んでみたい。


「磁力と重力の発見〈1〉 山本義隆」
今年読んだ本の中で一番読み応えがあり、面白かった本だと思う。
これは一巻から三巻まであり、総ページ数は千ページを超える。
全部読むのに時間はかかったけど、それほど大変でもなかった。
それだけ面白かった。
これは科学前史である。あるいは物理学前史。
アリストテレスの時代からニュートンに至るまで、
「遠隔力」という概念が獲得されていく過程を
とても丹念に追っていく。
18世紀以前の思想史・哲学史としても読めるすごい本だ。


*****
http://www.operacity.jp/ag/

ウォルフガング・ティルマンス展
http://www.operacity.jp/ag/exh55.html
野又穫:カンヴァスに立つ建築
http://www.operacity.jp/ag/exh56.html
project N19 小西真奈
http://www.operacity.jp/ag/exh57.html

昨日行った。
小西真奈の絵は素晴らしかった。

最後の冬休みの最初は旗日

2004-12-23 (木)

昼ごろのろのろ起きて、居間に行くと親父とハハがいた。
仕事は?と聞くと「今日はハタビで休みだ」と言われ、
「ハタビって何?」と聞くと「祝日のこと」と言われた。
なぜ祝日をハタビというのと尋ねたら
ハタビのハタは旗のことだと言われた。
昔は祝日には国旗を掲げたらしい。だから旗日。
そういえば、オレがまだ小さかった頃
そういう光景を見たことがある。
今はもうそういうの、見かけないなと思った昼下がり。

今日から冬休みである。

5ヶ月ぐらいほったらかしで、
伸び放題だった髪の毛を切りに行った。
美容師さんに「ひっぱると肩につきますよ」と言われ、
我ながらその伸びっぷりにびっくりした。
あんまり短くすると寒くて風邪を引くので
ある程度長さを残してもらって切った。
それでもずいぶんとさっぱりした。はじめがはじめなだけに。
年が明ける前にさっぱりできて良かった。
新年もあのボーボー状態を持ち越すのは縁起が悪い気がした。

それから年賀状を作った。
毎年、年賀状を作るのはオレの楽しみの一つなのだけど、
例年作り出すのは大晦日とか年明けてからとか後手後手なのに
今年は珍しく早い。
でも、あまり出来は面白くない。
なんかつまんないの作っちゃったなーという感じ。
もうちょっとアイデアを練ったりして、
もっと濃度の濃いものにしたいのだが、
あまりそういう意欲が湧かない。
だからそのまま出してしまった。
今年の年賀状は珍しく元旦に届きます。
つっても10人ぐらいしか出す人いないんだけど。


今年は、例年になくのんびりした穏やかな年末だ。
いつもいつも
「あれ?クリスマスと大晦日はどこ行った?」と
元旦になってから思っていたのに。
しみじみと「もうすぐ年があけるなぁ」という感慨に浸っている。

今年はいろいろなことが終わった、あるいは終わりになった、
あるいは終わらせた1年だったような気がしている。
年が空けたら研究室での活動が本格的に始まって、
いまとは全然違った生活になると思う。
授業が主体の生活は終わりなのだ。
そしてこの冬休みは最後の長い休みだ。
いままで二ヶ月あった春休みは6日間だけになる。
夏休みもそんなもんだろう。
最後のあがきに、たくさん遊んでおこうか。
それとも何も考えずにのんびりしようか。
それとも自分の好きなことを勉強しようか。
そんなに長くはない冬休みを大切にしようと思う。

焼肉喰らふ

2004-12-24 (金)

男二人で焼肉喰らふ、クリスマスイヴ。

使わなくなったという理由で、
携帯電話とMDプレイヤーをいただいてしまった。
なんて素晴らしいクリスマスプレゼント!
オレはというと何も用意してなかった。ので、すみません。

でも、ありがとうございます。

というわけで、ケータイが変わったので、
もうメールを送るときに3文字で改行したりしなくて
よろしいです。>お友達のみなさん

******

少し前までは、
ずいぶんと時間が経ってしまったなと思っていたが、
今は
まだそれぐらいしか経っていないのか、と思うようになった。
善くも悪くも、同じではいられない。
それは、自分も他人も同じ。
劇的な変化がほとんど望めないように、
変わらないでいることも、やはり望めない。
それは人間どころじゃなくて、生物のドグマでしょう。
自分も世界も変わっていくなあ〜という想いが浮かび、
それがどうのこうのではなくて、
ただただそのことが
ナイーブにもののあはれを感じたさせた。

読書ノート追加

2004-12-27 (Mon)

http://melonsode.fem.jp/ms/book-his/index.html

6月から10月まで読書ノートアップしました。
こうやってズラズラ並べてみると、
「大して本読んでないなー」と思う。
急いで読みすぎたせいか、どんな話だったっけってのが多い。

夏目漱石の「三四郎」は面白かった。
周りの人に話すと「へぇそうなんだ。」とか言われちゃって、
あまり共感を得られないのだが・・・。

三四郎はいわゆる青春恋物語なのだが、
主人公が弱腰で告白も何もしないまま
好きな人に婚約者が出来てしまって物語は終わる。
三四郎のラストがとてもスキだ。

それにしても、現代の小説で
告白も何もしないでおわるなんてことがありえるだろうか?
キスシーンすらないのだ。
もちろん時代が全然違うから
そんなことは驚くに当たらないのかもしれないけど。

物語の中で、主人公と女の子の間には
好意があるのかないのかはかりかねる者同士の
独特の緊張感がある。
その緊張感がとてもうまく描かれていると思った。
下手な男女のアンナコトの場面よりも、
その緊張感の方がよっぽどエロチックで興奮した。
過激なポルノよりも浴衣美女のうなじ、の方が
エロチックなのと同じだ。(いや違うか・・・・)

千円札は夏目漱石から野口英夫に変わってしまうのが、
ひどく惜しい。
なんであんなスピロヘータの純粋培養ぐらいしか成果のないひとが
夏目漱石にとってかわれるのだろうか。
野口英夫は自分のやっていた研究が他人に先を越されて、
成果が出せないことに焦って黄熱病に手を出し、
ミイラ取りがミイラになって死んだのだ。
あまり尊敬できない、とオレは思う。

「ベルグソン」も面白かった。
「人間は過去の奴隷なのだろうか?」という問いは
今でも色褪せない問いだ。
そこには科学万能主義からこぼれおちてしまったものがある。
ベルグソン自身のこともさることながら、
この本を書いた人の話しぶりもなかなかスキだ。
これは勝手な意見だが「池袋ウエストゲートパーク(石田衣良)」の口調にすこし似ている。
最後の著者のメッセージが胸に響いた。

「ビールの教科書」
前々から日本のビールってどうなの?って思っていたので、
読んでなるほどと思うことが多かった。
麦芽とか酵母とか発酵とか生ビールの「生」とか
全然知らなかったんだなーと思い、反省した。
そういうウンチクを知っているからといって
ビールの味が変わるわけではないですが、
でも、あまりに知らなすぎたなと思う。
例えば、「生」ビールっていうのは居酒屋とかでサーバーから
注いだビールのことじゃなくて、
日本のほとんどのビールは缶でもビンでも
みんな「生」ビールだということ。
そして、「生」をありがたがるのは日本特有のことだということ。
そもそもビールに「生」という表現をすること自体が
変だということ。
水の品質はビールの出来とはあまり関係がなく、
日本酒の場合は原料となった水を当てることができるが、
ビールの場合はそれはほとんど不可能だということ。
いろいろためになりました。
地ビールめぐりに行きたいなぁ・・・。

洗車

2004-12-28 (Tue)

野口英夫ではなく野口英世でした。スンマソン。

*******

昨日、今日と二日続けてトラックの洗車をする。
長靴、雨具(上下セパレート式)、ゴム手袋の完全防備でいざ。
去年はそういう装備を何もせずにやったので
水に濡れてとても寒かった。
トラックは面積がでかいので1台やるのに2〜3時間かかる。
去年は1日でやろうとして、日がとっぷり暮れるまでやった。
太陽がないとこんなにも寒いのかとその時思い知ったので、
今年は二日にわけた。
もっと早い時間からやればいいのかもしれないが、
それだと集中力が切れて仕事が雑になりそうなのでやめた。

洗車なんぞやっていると、
いかにも自分が丁稚奉公に出された小僧のような気分になった。
でも、それはそんなに悪い気分ではなかった。
ブラシを洗剤に擦り付け、それを車に擦り付ける。
ある程度やったら洗った部分を水で流し
ブラシをゆすいでまた洗剤をつける。
その繰り返し。
少しずつ着実に洗浄済みの部分が増えていく手応え。
とにかくすべての部分にこのブラシを擦り付ければいいのだ。
そしてその部分は有限の面積である。
途中でやめなければ必ず終わる仕事だ。
終わる仕事を終わらせるのは気持ちがいい。
人生のほとんどのことは終わりがない。

車をしまい、道具を片付けて服を着替える。
西の空を雲が覆っていた。
明日は雨か、それとも雪か。

めも

2004-12-29 (Wed)

人を大切にして人を動かす―...

対訳...Management System ISO SERIES

岩波講座 物理の世界...岩波講座 物理の世界

心脳問題―「脳の世紀」を生...

進化しすぎた脳 ...

The principles of quantum mechanics

量子力学 原書第4版

電磁気学〈2〉丸善物理学基礎コース

電磁気学〈1〉丸善物理学基礎コース

マクスウェル理論の基礎―相...

おおみそか

2004-12-31 (Fri)

あれ。
あわわわ。
大晦日。
あーぶねーうっかり通りすぎる所だった。

******
2004年読書ノート
http://melonsode.fem.jp/ms/book-his/index.html

今年は50冊読みました。
去年は32冊だったので読書数大幅アップですね。
来年こそはめざせ100冊!

・・・でも大事なのは読む冊数ではなくて
どんだけたくさんのことを得られるかなんだけどね。
これは思いがけないことなんだけど、
50冊中10冊が池波正太郎の著作だった。
ちょっとびっくり。

「ナビ・タリョン」
夭折した在日韓国人作家、李良枝の作品集。
表題作のほかに「かずきめ」、「刻」が収録されている。
アマゾンで検索したらもう絶版で、中古で手に入れた一冊。
これを読んで、李良枝全集も欲しくなった。
絶筆となった「石の声」を読んでみたいと思う。
なんでだろう。なんでだかわからないけど、
この作家の作品に惹かれる。
どれもこれも救えないような話なのだけど。
作者の人生の生々しさがどの行にも張り付いている。
この作品集を読んでわかったのは、
「由煕」はこの作者にしては特異な作品なのだなということ。
他の作品は主人公が様々な文脈の中で様々なことを思い、
それが渾然一体となって心が溶岩流のようにうねっている。
「由煕」は一つの主題が丁寧に描かれている。
主人公が抱えるその問題の切実さが
とても純粋になって表現されている。
もしもはじめて李良枝の作品を読みたい人がいたら
この本がおすすめかと。

由煕 ナビ・タリョン


「物理講義」
ノーベル賞受賞者・湯川秀樹の特別講義録。
確か浪人生だった頃に一度読もうとして、
でも、途中から読んでても意味がわからなくて挫折した本。
ミンコウスキー空間て何だよ?!とか
波束の収縮ってなんだよ?!とかイロイロと不明なことが多く、
半分ぐらい読んで読むのをやめた。
それ以来、湯川秀樹という人があまり好きではなかった。
勝手に、「朝永振一郎の方が偉大だ!」とか思っていた。
で、最近になってこの本が読みかけだったのを思い出して、
再び読んでみたら読めた。
量子力学と特殊相対論をかじっていないとわからないッぽい。
あと素粒子物理を少々。
一般相対論の話も出てくるが、それはわりと少ないので、
まぁわからなくてもなんとかなるかんじ。
とりあえず、この本が読めたとき、
「オレもここまできたか・・・」という感動が禁じえなかった。
浪人生だった当時の量子力学の知識と言えば、
「電子は波長の長さの整数倍の軌道をとる」とか、
「光は波であり粒子でもある」とか、
前期量子論の本当に端っこの方だけであり、
相対論についても知っているのは「E=mc^2」ぐらいで、
特殊相対論と一般相対論の区別さえつかなかった。
そのくせ、当時のオレは
「オレはどっちもいくらかかじってはいるんだが・・・」
と思っていたんだから、恥ずかしい奴だ。
そして、湯川秀樹という人はえらい人だ、と思った。
この人の言っていることは深い。
物理系の学科の3年生か、4年生の人には読めると思うので、
是非とも読んだがいいと思う。
ところで、湯川秀樹と朝永振一郎は
日本の誇る二人のノーベル賞物理学者だが、
オレは勝手に湯川は朝永のあとの人だと思っていた。
でもそうではなかった。
湯川と朝永は第三高等学校・京都帝国大学の同級生だったらしい。
そして、ノーベル賞の受賞は湯川が1949年で朝永が1965年だった。
朝永は焦っただろうな、と思う。

湯川秀樹
朝永振一郎


「無限論の教室」
この本、すごく面白かった。
アマゾンの書評でも絶賛されている。
一応、哲学の本なのだが、全然硬くない。
なんせ、話が小説なのだ。
登場人物は主人公と田島先生とタカムラさんの3人。
これは無限とは何か、無限とはどういうことかについて
書かれている。
アルキメデスと亀のパラドックスから出発して、
気付くと無限集合論の話になっている。
哲学の話にカントールがでてくるのだ。カントールは数学者だ。
そして対角線論法がでてきて、
最後はゲーデルの不完全性定理の話になる。
どちらも数学の範疇で語られることが多い題材だ。
哲学と数学はとっつきにくい学問の王と王妃のような
最強コンビだと世間では認識されていると思うが、
そういう意味でのとっつきにくさはこの本にはない。
そういう意味ではこの本はとっても不真面目だ。

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(一部抜粋)
田島先生「『動物』という集合のべき集合は、その部分集合である『キリン』であり『カバ』であり、それから、ええと」
主人公「バクでありクマであり」
タカムラさん「マ…マントヒヒで、それから…」
「ヒ」でつまったので僕が助けた。
主人公「ヒト」
タカムラさん「ああ、ヒトも動物よね」
田島先生「何をやっているんですか。あなたたちは。ト…トビウオ」
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と、まぁこんなかんじなのだ。
集合の話をしていたのに何故かしりとりがはじまってるという…。

そういうわけで遊び心満載。
でも、十分哲学のエッセンスは詰まっている。
得る物は大きかったと思う。
「メタ」という単語の意味がわかってよかった。
それからゲーデルの不完全性定理の本質的な部分が
わかったように思う。
そして無限集合論についてもわかった気になれた。
ともかく、無限のとらえ方がいくらか変わったのは確かだ。

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なんか最近本のことばっかり。
てか、気付いたら日付変わってるし。
いまさらですが、よいお年を。