カンデル読んでる

カンデルを読んでいて思ったこと、脳科学を勉強しながら思ったことなどの雑記です。

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ganglion - ganglia, nucleus - nuclei /単数-複数

通常、英語では複数形になるときに語尾に「s」をつけることでそれをあらわすが、 脳や解剖学の用語には複数形になるときにそのような違った規則で変化するものが多い。 しかしそれは全く不規則なのではなくて、おそらくラテン語に起源を持つためにそのラテン語の規則に従って変化しているのである。 例えば「stimulus(単) - stimuli(複)」はこれだけ見ると不規則変化するように見えるが、 「*us - *i」という形の変化をしている。 以下、代表的なものをあげる。

ところで日本語では名詞に単数形・複数形はないので、nucleus だろうが nuclei だとうが、たんに「核」としか訳さない。 しかし、本当は単数形と複数形は分けて訳した方がいいのではないかと思う時がある。 nucleus だったら「核」で、 nucleiだったら「核群」というように複数形を明示するために群を付加したらどうだろうか。 何故こう思うかというと、単複に関わらず「核」と表現してしまうと、 それが単一の核なのか、それともたくさんの核が集まったものなのか判断がつかないからだ。 例えば、基底核を意味する「basal ganglia」はgangliaなので複数形である。 これは核(神経節)が複数集まってできる構造であることを示している。 しかし、「基底核」と言われてしまうとあたかも単一の核があるように思ってしまう。 ある部位が均一な組織からできているのか、不均一な組織からなっているのかという情報は 常に大事な情報ではないが、ときに重要であると思う。

2007/4/19 (Thu)


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