romeo's heart

2005-06-26 (Sun)

あち。

空気のぬるっこさがたまらない。
汗なのか湿度なのかわかんねー。
べたべたする。
ひどく空気の粘性が高い。

ひさびさにブランキージェットシティーの曲を聞く。
すごくいい。
どうもこういうジメジメしたときにブランキーを聞くと
もっともよく聞こえるようだ。
厚ぼったい空気を切り裂くように音楽が響く。
ブランキーラヴ。

久々に会社に行って仕事をする。
パソコンを使う仕事でトラックは運転しない。
ここのところトラックを運転していないな。
太陽の強烈な日差しを浴びて、幹線道路を歩くと
その騒音と排気ガスに触発されて、
毎日トラックを運転していたおととしの夏を思い出す。
また、あの、自分で踏んだアクセルによって引き起こされる
ディーゼル音を聞きながら、窓から風を受けて走りたい気分に駆られる。

夏の仕事は暑くて、汗がだらだら流れて、喉が渇いて、肌が焼けて、
しかもほとんど休憩もとらずにやっていたからキツくて、腹が減って、
全然いいものではなかったはずだけど、
そこには一種の爽快感があって、
また太陽に焦がされながら仕事がしたいと思った。
でも、もう2年前のようには働けないだろうと思う。
いつまで親父と仕事の話ができるだろうか?

オレが担っている文脈は、
まず大学生で微生物の研究をするという文脈があって、
それから認知・脳科学の方面に進みたいという文脈があって、
そして、ボーイスカウトのリーダーという文脈があって、
ガス屋の社員もどきな文脈がある。
もっとあったと思うけど、回路を閉じてしまったものもあるし、
ほとんど何もせずに回路が動いていなかったりして、そんなものだろう。

今担っている文脈も、いつかは細くなったり閉じてしまったりして
オレから離れていくのだろう。
もちろん新しく加わる文脈もあるはずだが、
そうやって入れ替わっていく。諸行無常。
文脈が変われば付き合う人も変わる。
それなりにたくさんの人とすれ違ったはずだが、
ほとんどの人が通り過ぎていってしまった。
今でも所在がわかる人はほんとうにわずかだ。

そういうことを考えると、やっぱり感傷的になっちゃうな。

オレは今の研究室から別の研究室に移ることにしたので、
この研究室のみんなとも来年の3月にはお別れである。
すごく悩んだけど、認知・脳科学の方へ行くことにした。
だから早稲田は出願しない。
今のところ東工大だけしか受験しないつもりだが、
別の大学も受験することを勧められているので、
もうひとつ受けるかもしれない。

文脈のもつ一回性の切実さのことをアウラというらしい。
今はひしひしとそのアウラを感じる。


<リンク>
アウラ、ベンヤミン、「いま‐ここに」
http://www004.upp.so-net.ne.jp/kawanago/ESS108.HTM
束芋×宇川直宏×茂木健一郎 鼎談
「美、文脈主義、アウラについて」
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2004/11/lecture_records_1.html

出来の悪いロボットの素晴らしい能力

2005-06-25 (Sat)

昼からボーイスカウトのキャンプに顔をだす。
土日をつかった一泊だけの訓練キャンプ。
8月に大きなキャンプがあって、
それに備えるためのキャンプである。
家から自転車でいける河原でやっているので、
昼から顔をだし、明日は用があるので夜に帰ってきた。

去年だかおととしだか忘れたが、
以前は見ているこっちが頭を抱えたくなるようなありさまで、
野営という体裁をととのえるだけで精一杯だった。
でも今年はだいぶマシになったようだ。


スカウト活動に参加するのは久々だった。
夏の暑いさなか汗にまみれながら
子どもたちのケツをたたいて作業させる。
基本的に、子どもたちは出来の悪いロボットで、
指示をしないと動かないし、
指示通りのことができることはめったにない。
だからオレたちがケツを叩かなきゃいけないわけだが、
子どもたちにはロボットにはない素晴らしい能力があって、
それが学習するという能力である。
新入りはロープ結びは知らないし、
テントのたてかたも知らないし、
火のつけかたも知らないし、
ゲームをやっても弱いし、
とにかく無能で、
できることといったら水をくみに行くことぐらいで、
それすら非力なのでとても遅い。
それが、入隊から一年、2年と経つうちに
いろいろな能力を覚えて行く。
最年長クラスになれば、
そういう能力を下の子に教えられるようになる。
無力だった子がたくましくなっていくのを見るのはとても楽しい。
それが我々リーダーのやり甲斐になる。

ロープの結び方や、テントのたて方や火のつけ方は大事な能力だけど、
本当に身に付けて欲しい能力に比べたら些細なことで
本当に身に付けて欲しい能力とは
自分で考え行動する能力である。
そしてこれは教えることができない。
これは自分自身で気付いてもらうしかない。
「自分で考えろ!」という言葉は、言うのは簡単だが、
それを実行するのは難しい。というかたぶん不可能。
自分で考えられる人間は「自分で考えろ!」なんて言われないし、
「自分で考えろ!」と言われた人間は自分で考えることができない。

自分で考えることを覚えたら、
その人の人生は劇的に変化するとオレは思っている。
自分で考えることを覚えたら、考えずにはいられない。
自分で考えることはとても面白いから。

自分で考えることができるということは
自分で必要なことを学べるということでもある。
大事なのはあらゆることを知ることではなくて、
必要なことを自分で知ることのできる能力を得ることだ。
あらゆることを知るなんて無理だし、
与えられたことしか知らないのではあまりに不自由すぎる。

夏のはじまりと宣戦布告

2005-06-19 (Sun)

酒を飲む機会は重なるもので
木、金と酒を飲んで今日も酒を飲んだ。

ここ数日間はすごく調子がいい。
いつものネガティブ思考はどこへやら。
やはり酒を飲まないとだめなのかしら。
とか言うとアル中だとか言われそだけど。

きっと風向き変わって珍しく
飛ぶ鳥落とす追い風なのだ。

実験滞りまくり
よって研究停滞気味
入試まであと一ヵ月きり
勉強すること山のごとし

初期条件はよくないでせう
それでもきっとうまくいくよ
つべこべ言わずにそう言い切るよ

オレは核心に近づいている
以前のオレより成長している
超えられない壁なんてない
超えられなければ穴をあけるさ

とっても遠いとこまで行くのだ
だからオレから目を離すな

夏のはじまりと宣戦布告

正確な泣き声

2005-06-19 (Sun)

暑さも喉元過ぎた夕暮れの6時24分、
突然アラーム音が鳴りはじめた。

ぴ−ぴ−ぴ−ぴ−
ぴ−ぴ−ぴ−ぴ−

何事かと慌ててあたりを見回すと、
しばらく前に買った安物ストップウォッチだった。

ストップウォッチのくせに
アラーム機能がついていて
指定された時間がきたので
こいつはひとりで鳴りはじめたのだ
なんでこんなに中途半端な時間に
セットされていたのかはともかく

そういうことを一瞬に
あっさり理解した秀才オレは
このストップウォッチに
大変申し訳なく思いました。

こいつは毎日毎日夕方の
6時24分になると
ひとりでひっそり泣きはじめて
誰にも聞こえないのに泣き続けて
かなり長い間泣き続けて
ひとしきり泣き続けたら
誰も止めてはくれないから
プログラムどおりに泣きやんで
そんなことを何ヵ月も続けていたのだ

そうかもう何ヵ月も6時24分に
オレはこの部屋にいなかったのか
ひとりで鳴かせてごめんよ
誰も聞く人がいないのに
安物スットップウォッチ、
おまえは泣き続けていた

ぴ−ぴ−ぴ−ぴ−
ぴ−ぴ−ぴ−ぴ−

ご苦労であった
心のなかで謝罪と感謝と労いと慰めをこめて
オレはアラーム機能をオフにした

異次元の新宿

2005-06-18 (Sat)

今日も酒を飲む。

深夜2時半の新宿は異次元だった。
深夜なのにでたらめに明るい。
そして、なんだこの人の多さは。
深夜の2時半なのに。
まるでお祭りの後みたいに人がいる。
大半が黒いスーツに金髪の若い男。
あとはカップルとか派手な格好の女のひととか。

昨日と違い誰も声をかけてはこなかった。
もう祭りは終ったのだろう。
いつも感じる雰囲気とはだいぶ違った。
一種のすがすがしさがあたりを支配していた。
空気が弛緩している。
一刻も早く帰宅しようなんていう気持ちはどこにもない。
帰りたくないよ、帰るのめんどくせーよ、
すこしダラダラしよーよ、そんな感じ。

毎日毎日、新宿という街はお祭りをやっている。
それは一体なんなんだろう。
すごいエネルギーだ。
この街はたくさんの人間の欲望を呑み込んでは
高い所から叩き落としてる。

緩んだ空気の中を切り裂くように歩いた。

乗り過ごし

2005-06-17 (Fri)

昨日は楽しい楽しい飲み会でした。
久しぶりにがっつんがっつん酒を飲んだ。

帰り,高田馬場から山手線に乗って日暮里まで行くつもりが
気づいたら御徒町まできていた。

高田馬場−・・・−日暮里−鶯谷−上野−御徒町

乗り過ごした。。。
この時点で終電を逃がす。
仕方がないので学校にもどることに。
反対方向の山手線に乗る。

御徒町−・・・−高田馬場−新大久保−新宿

また。。。。
再び乗り過ごす。
慌てて新宿で降りる。
山手線はもうなかった。
仕方がないので新宿から学校まで歩いた。
ふらふらしながら。

新宿で
「お兄さんキャバクラどう?3000円で2時間飲み放題だよ!」
と,飛び切り元気のいいにーちゃんにしつこく絡まれる。
新大久保で
「オニサン,マッサジいかがー?」
と,ぴちぴちの服を着た女の人に声かけられた。

やっつけ

2005-06-15 (Wed)

先生に頼まれていた仕事を片付ける。
結局、やっつけ仕事。
1週間のびのびになった甲斐なし。
はじめからやっつけ仕事になるって
わかっていればせめて
もっとはやくやっつけてたのに。

あとは1週間以上ほったらかしの実験をやっつけて、
院試休みに入るとしよう。

卒業した外国人の研究室の先輩が来てて、
いくらか話をする。
英語が話せないのがすごく歯痒い。
とっさに現在完了とかしゃべれない。
過去形や受動態すら危うい。
ほんとうに簡単な構文で
単語をぼたぼた並べるので精一杯。

でも、なんでかしらないけど、
英語でコミュニケーションをとるのは楽しい。
それはたぶん伝わらないという不確実性が前面に出てきて、
ギャンブルで起こる様な興奮が生まれるからじゃなかろうか。
不確実性が与える快楽というのはきっとある。

それに、そもそも言うことが新奇なのだ。
普段は話の種にもならないことを、
外部の視点を持つ人が語ることで、
面白いネタに変質する。

世間に広まっている英語できなくちゃムードは
視点がどこかずれている感じがして嫌で、
それで英語を勉強するのはつまらなく見えてしまうのだが、
それでもやっぱり英語できるようになりたと思う今日この頃。

発狂の手前

2005-06-15 (Wed)

自分は最低
自分が最低

やわらかい部分にふれたがっては
手の平かえして引っ掻き回す

脳のどこかが欠落してんだ
その空洞はしびれを撒き散らして
頭にもやがふりかかる

早すぎるんだ
追い付かないよ判断が
だからつまづいた子供が転ぶように
節操ないことしてしまう

嘘は吐かずに済んでいるけど
無神経の衣を借りて
無鉄砲を振りかざし
どんだけ穴をあけまくった

誰も愛せないよ
甘えて甘やかす関係があるだけで

首を絞められたら
喜んで
絞め殺される自分はどこいった?
いまは腕をへし折って絞め返す奴しかいない


ああもう!
本当はそういうことはどうでもよくて
願い事は徹頭徹尾ひとつだけで
あとは全部、自分でなんとかするから

どうしてオレではないのでしょうか!
どうしてオレではダメなのですか!

切断からまだ3ヵ月も経っていない

豊かさの源

2005-06-14 (Tue)

東工大の願書を速達書留でだした。
試験は8/16。

願書はある程度書いておいたけど、
写真を貼るのと志望理由書を書くのはまだで、
貼るための写真を撮りにいったり、
1000字の志望理由を書くのに一日費やしてしまった。
先生から頼まれた仕事も、実験も
全然すすんでいない。

今日はお昼に馬場駅前のロシア料理屋「チャイカ」で
カトレートのランチを食べる。
カトレートとはロシア風ハンバーグのこと。
パン粉で揚げ焼してあるらしい。
ホワイトソースがかかっていた。
朝からこのカトレートが食べたい気分がずっと続いていて、
友達の誘いも断って行ってしまった。

はじめにボルシチがでてきて、
それからパンが出てきて、
ボルシチが食べ終わった頃にカトレートが出てくる。
全部食べ終わった頃、コーヒーが出てくる。
チャイカで食後のコーヒーを飲むとき、
おいしいものを食べた後の余韻に浸りながら
「これが豊かさというものだな」といつも思う。
マックでバリューセットを頼んでもコーヒーは出てくる。
でも、それとこれはまったく別物だ。
チャイカで出てくるコーヒーと同じコーヒーが出てきたとしても、
やっぱりまったくの別物のままだろう。
これが360円の違いなのだろうか。
(バリューセット500円、チャイカのランチ860円)
いや、360円という値段をつけるのがおこがましいほど
“高級な”ものだろう。



<リンク>
ロシア料理 「チャイカ」
http://www.chaika.co.jp/
<トラックバック>
http://kurica.exblog.jp/m2005-03-01/#1744104

理工スポーツ大会

2005-06-12 (Sun)

ソフトボールをやった。
一回戦 1-11 で勝利。
二回戦 相手チームあらわれず不戦勝。
三回戦 2-13 で負ける。
結果としてベスト8入りを果たす。
(実質的に一勝しかしてないのに)

一回戦の11点のうち、6点はオレの打点である。
走者一掃の大きなあたりを二打席たてつづけに打った。
天才バッターが誕生したわけである。
(いいすぎ)

試合終了後の疲労感と充足感の混じりあった感じは
今まで感じたことがないほど濃密だった。
あんなに幸福な疲れは感じたことがない。

いままでスポーツで活躍というものを
まったくしたことがない人間だから
素人同士の試合で2本大きなあたりを打っただけで
この浮かれようである。

身体のあちこちが筋肉痛だが、
それすらなんだか心地よく感じる。

解析入門I 杉浦光夫・著

2005-06-09 (Thu)

最近はアタマが勉強モードになっていて、
実験が滞っている。
よくない。のはわかってんだけど。
実験に没頭すると大事なことを忘れてしまいそうな気がして、
うかうか他のことができない。

願書を書いたり、過去問をみて戦略を立てたり、
実際に勉強したりすると、否が応でも「受験するんだ」
という意識が前にせり出してきてしまう。

早稲田にするか東工大にするかまだ決めあぐねていて、
結局、両方受験するつもりだ。
試験科目は早稲田が英語と化学、
東工大が英語と数学と専門科目。
化学と数学で試験科目が全然ちがうけど、
幸い試験日が1ヶ月違っていてくれている。

今は自分の力量と問題の難しさを見極めるため
全科目を軽く流すように勉強している。
化学ははっきりいって不得意だし、
数学は大好きだけど、本職ではないので自信がない。
でも、過去問をいくらかやってみたら、
1年生レベルの線形代数と解析でなんとかなりそうだ。
化学は地道に勉強していくしかない。

問題が専門科目だ。
1.数学(集合と位相,測度論)
2.物理(量子力学,統計力学)
3.機械・制御(機械力学,古典制御)
4.電気・電子(電気回路,信号処理)
5.情報(アルゴリズム,オートマトンと言語)
6.生命・生化学(遺伝子工学,遺伝子発現制御)
7.経済・社会(経済学,組織科学)
このうちから1つ選ぶんだけど、
どれも自分のストライクゾーンじゃない。
3、4、5、7は論外。
1は測度論はまったくやったことがない。
2は統計力学をやったことがない。
6は遺伝子工学がどんな分野なのかよくわからない。

6は今やっている研究といくらかかぶるところがあるから、
これにしようかなと思っているが、
どういう分野なのかわからないので
どう勉強したものかわからない。
2でいってみたい気もするが・・・。
東工大は試験形態が今年から変わったとのことで、
過去問がなく、どんな問題がでるのかすごく予想しづらい。
うーん。

まんべんなく勉強しているつもりでも、
たぶん数学に一番ウェイトがかかってしまっていると思う。
「解析入門I 杉浦光夫・著」を読んでいる。
たぶん真剣に読んだのは1年の頃で、
その時は難しすぎると思っていたはずなのに、
なぜだか書いてあることがわかる。
たかが1行進むのがすごく苦しかったはずなのに、
すらすら読める。
そして読んでいてすごく面白い。
そうだったのか、そういえばそうだった、これがあそこにつながるのか、
これは美しい、これは知っている、ここはどうだったっけ、
1行1行読むのが精一杯だったのに、
1冊の中をあっちこっちに飛んで読めるようになった。
すごい。自分すごい。

紙と鉛筆とこの本があれば、一週間ぐらい楽しめそうだ。
でも、それじゃだめなのだ。
試験のための勉強をしなければ。

今わからないのは
・ラグランジュの未定乗数法
   一回理解したはずだけど、全部忘れた
・多変数関数の最大最小値の判別
   二次形式がわかってないからよくわからない
・座標変換するときに何故ヤコビアンをかけるのか
   何か掛けなきゃいけないのはわかるけど、
   なぜそれがヤコビアンなのかわからない

親切な諸兄、アドバイスがあったらよろしくおねがいします。




***
東京工業大学大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻
http://www.dis.titech.ac.jp/index.html

クラブハウスサンド

2005-06-09 (Thu)

朝十時、起きる。
研究室に泊まった。寝たのは4時半とか。
眠い。

朝ご飯を食べに外に行く。
ちょっとこじゃれた喫茶店で、
サンドイッチにコーヒーを飲みたい気分だった。
でもそんな店知らない。

あてのないまま学校をでる。
お陽様がけっこう高くまであがっている。
日差しも気温も夏の片鱗を感じさせる。
「いよいよ本番がはじまりますヨーっ」てアナウンスが
青い空の裏側とか通り過ぎる車のカーラジオから
聞こえてきてもおかしくない感じだ。
(本番てなんだ。)
でも正月から大晦日までを1年とすると
6月ってことはもう半分おわっちゃってんだよね。

 “本番が始まるときにはもう頂上を過ぎている”

なんかとっても切ない気持ちにさせるメタファーだと思わないか。
(思わないか・・・。)

明治通りを新宿方面に歩いてもこ洒落た店は出てこない。
てくてく。
うん。
何度も歩いたから知ってるけど、こ洒落た店はない。
結局、大久保通りに出てしまった。
右折して新大久保駅の方に向かう。
なんかないのか、喫茶店。こじゃれてなくていいから。

ほどなく、「喫茶 コロラド」を発見する。
もうここでいいや。
中に入る。
予想通り、こ洒落てない。
よく言えばアットホーム。
ちょっと生活臭が滲んでるかしら。

クラブハウスサンドとアイスコーヒーを注文する。
お客さんは、「午前中暇してんのよ」という感じの人ばっかり。
「こういう時間の流れの中で暮らしている人もいるんだ」
と不思議な感銘を受ける。

お店は3人で切り盛りしてるらしい。
じいさん、ばあさん、あとおばさん。
うーん、じいさんばあさんていうのは言いすぎかな。
おじさんと初老の間で、いくらか初老より。
じいさんばあさんがカウンター内で注文の品を作り、
おばさんがそれを運ぶ。
おばさんの動きが素晴らしい。
決して広くない店内を飛ぶように歩く。
いい働きっぷりだ。
(偉そうに。オマエも見習え!・・・ごもっとも。)

クラブハウスサンドが出てくるまでに少々時間がかかった。
待ちかねていたオレは、一口かじって驚いた。

 おいしい。

こんなにおいしいクラブハウスサンドは食べた事がない。
いやまあ、しょっちゅうそんなもの食べてるわけではないが
すごくおいしいことは間違いない。
パンの焼け具合、ソースの量、トマトの厚さ、卵の柔らかさ、ハムの硬さ。
びっくりするほど絶妙だった。
値段はけっこうはるんだけど、それに見合うおいしさだった。
きっと丁寧に作ってるんだろうなー。
ゆっくりゆっくり味わって、大切にいただきました。

食べ終わった後も、ゆっくりコーヒーを飲んで余韻を愉しんだ。
満足して店をでた。
オレは幸せ者だ。

有翅虫

2005-06-09 (Thu)

ゴールデンウィークのあたりから
街で白くて小さな虫が飛んでいるのに
よく出くわすようになった。
周りにははっきりとした嫌悪感を示す人もいるが、
ちょっと気持ち悪いけど、オレは結構平気だ。

あの白い虫を、虫だと思わずに妖精のたぐいだと思うと、
けっこう楽しい気分になれる。
「ここは妖精が飛び交う街なんだー!」ってな具合で
感動すると思いません?
はなから気持ち悪いとしか思えない人は、
そんな風に思うのは無理かもしれないけど、
もしもできるならそういう妄想をするのもいいものですよ。

もしも年がら年中あちこちにあの虫が飛び交ってたら
あの虫を妖精のようにとらえて好意的な評価を下す文化が
存在しただろうと思う。
どこかの国みたいに、異物は徹底的に排除する方法も一つの文化だが、
好意的に評価することで共生するほうが、
コストがかからないし、色々な意味で優しい文化だと思うのだが。

そもそも日本にはそういう文化の素養があるのに。
秋に聞こえるすずむしやこおろぎの音を
まるで音楽を愛でるように聞くという態度が
古来からあったのに。
西洋の文化では
あれをまったくの雑音としてしか捉えない(らしい)。
日本の文化と言ったって、
果たしてそんなものが実在するのかわかったもんじゃないが、
でもやっぱり胸のなかに沸きあがるものはある。
きっと今、急激に変質していっているのではないだろうか。
そんな気がしてならない。

閑話休題。

あの白い虫はなんていう虫なのかずーっとわからなかったが
あれはアブラムシらしい。
今年はアブラムシの生育に適した条件が揃って大量発生したらしい。
知らなかったのだが、アブラムシは飛ぶらしい。
たくさん繁殖して一定の個体密度を超えると
羽を持つ種類のアブラムシが生まれてくるという。
つまり混んでくると飛ぶ、と。
自分のやってる研究のテーマと
どこかしら通じているところがあって面白い。
その他にも、アブラムシの生態には面白いことが多いようだ。




<リンク>
アブラムシ、東京や埼玉などで大量発生
http://www.asahi.com/life/update/0606/008.html
アブラムシは飛ぶ(「33.有翅虫」参照)
http://www.moriyama.com/netscience/Nakabachi_Atsushi/Nakabachi-12.html

問い合わせがあったので

2005-06-09 (Thu)

朝日カルチャーセンター講座

<脳とこころを考える>
講師:茂木健一郎による講義。

茂木さんの紹介ページ
http://www.qualia-manifesto.com/asahi-culture19.html

朝カルの該当ページ
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0504koza/A0301.html#
(「脳とこころを考える」をクリックしてください。
  講師が南直哉になってるけどたぶん茂木健一郎の間違いです)

1ターム5回の講座。
1タームは3ヶ月で、間隔は不規則だが曜日は金曜日に決まっている。
朝カルは都庁の隣の住友ビルにあります。

そのうち1回はゲストを呼んでの対談の場合が多い。
今回のゲストは禅僧の南直哉さん。
前回はデザイナーの原研哉さん。
その前は美術評論家の布施英利さん。
さらに作家の保坂和志さんが来たこともあったらしい。

1ターム毎にテーマが変わり、
そのテーマにあわせてゲストが選ばれているのだと思う。
今回のテーマは「癒し」。
前回は「デザイン」、その前は「美」。
ちなみに次回は「音楽」らしい。

茂木さんは、脳科学者として一般的に認識されているので、
脳科学的な見地からのアプローチによってテーマを理解することが
建前になっていて、それなりにそういう話もあるが、
かなり脳科学からはみだした議論になることが多い。
ニューロンがどうのとか、fMRIの画像がどうとか、
側頭葉のM1野(でたらめ)が発火してるとか、
そういうガチガチに脳科学の話が聞きたい人にはお勧めしない。

基本的に茂木さんが勝手なことをばあばあしゃべる。
でも、質疑応答も盛ん。
受講者にはかなりお年を召している方もいるし、
会社帰りに来ている方もいるし、
結構年齢層は広い。
たぶんオレは最年少の部類に入ると思う。
男女も半々ぐらい。



*****

南直哉×茂木健一郎対談 Lecture Records
2005年6月3日 朝日カルチャーセンターセンター(東京、新宿)
音声ファイル(mp3, 118.1MB, 130分)

iPodのリセット(再起動)

2005-06-06 (Mon)

iPodを歩きながら聞いていたら突然、音が途絶えた。
画面を見るとスクロールするはずの曲名が動いてない。
あれこれボタンを押しても動かない。
壊れたー!?
歩行の振動でハードディスクが
クラッシュしてしまったんじゃないかという気がしてきた。
確かにお尻のポケットに入れて
早足で歩いてたからかなりの振動があったと思うけど。。。

しばらく放置してみても反応がなく、
これは本当に逝ってしまったのではないか・・・。
買った時の箱をひっぱりだして説明書をみるが、
そういうことの対処法は書いてない。
ネットでアップルのサイトをチェック。

とりあえず、リセットせよ、とのことだった。
iPodのリセットはMENUボタンとSELECTボタンを
同時に長押しするんだそーだ。
知らなかった。
やってみたらあっけなく画面が消えて、再び立ち上がった。
そして問題なく動いてくれた。
セーフ。ヨカッタヨカタ。
iPodもフリーズするんですね。

些細な事件だったけど、iPodに対する愛着がさらに湧いた。
あれくらいの振動では壊れないのですね。(フリーズしたけど)
iPodは簡単に言えば音楽を聞くためだけに特化したハードディスクだ。
一昔前だったら、ハードディスクをこんな風に持ち歩くなんて
考えられなかったことだ。
元来、ハードディスクは高速回転しているので
振動にめっぽう弱い。
だから昔だったら、起動中のパソコンは動かせないものだった。
そんな時代からしたら回転中のハードディスクを持ち運ぶなんて
狂気の沙汰に見えるに違いない。

さて、愛着が湧いたのでやはりというかなんというか
名前を付けたくなってきた。
いや、買った当時から名前を付けたかったのだが、
適当な名前が思い付かなくて今に至る。
なんか「白」にちなんだ名前を付けたいのだがなかなかみつからない。
女の子の名前がいいな。

白→白雪姫→白 雪子(しら ゆきこ)→ゆきこ

という連想で「ゆきこ」にしようと思ったのだが、
昔付き合ってた人の名前が「ゆきこ」で、
その人とiPodはイメージが合わないのでやめた。

白→おしろい→舞妓さん→まいこ

という連想で「まいこ」にしようと思ったのだが、
うちの妹が「まいこ」という名前で、
やはりiPodとはイメージが合わないのでやめた。


うーんうーん。
結局まだ思案中。

5月の要約とカタルシス

2005-06-04 (Sat)

やっぱり、自分のペースを崩すとロクなことにならない。
身体はダルいし、常に眠いし、不機嫌が常態化するし、
物忘れが多くなるし、頭は鈍るし、周りが見えなくなるし、
ミスが増えるし、それで仕事が増えるし、
やる気が湧かなくなるし、鬱になるし、死にたくなるし。

5月はヤケクソ気味になっていたなぁと反省。
自己嫌悪と自暴自棄の悪循環で苦しかった。
日記を見返すとそんな感じがよくわかる。
その愚かしさが日記ににじみでてしまっている。
我ながら苦笑してしまう。
更新頻度がガクンと落ちて、そもそも読んでもつまらない。
掲示板にも「つまらねえ」だの「言ってることが変」とか
書かれてしまう始末だし。
当時はちょっと心がすさんでいたので、
危うく「うるせえ。だったら見るな」とかレスしそうになった。
かといってすさんだ気持ちを改めたり、
「ごもっとも」とか当たり障りなく答える気力もなかったので、
結局、掲示板の書き込みは無視してしばらく放置することに決めた。

トップページの背景を一時期排他的なイメージに変えたのは
なんとなく変えたくなったからなんだけど、
でも無意識的に当時の排他的な心理状態が反映されているのだと思う。
その背景もグロテスク過ぎる気がしてやめて、
縦にランダムな白いストライプの入った背景にした。
昔から、太さも間隔もランダムなストライプの模様が好きだったのだが、
その背景は白がごちゃごちゃし過ぎていて
あまりいいとは思っていなかった。
ページのデザインにはかなりこだわりがあるから、
いつもなら気に食わないと何時間でも延々と直し続けるのだが、
それでもそのままほったらかしにしておいたのは
投げやり気分でどーでもいいやと思っていたからだった。
で、結局またもとのプレーンな灰色に戻しました。

トップのデザインはやはりこの色が合っていると思う。
すみこさん(自宅の初代iMac)で見ると
灰色、白、黒、赤がとても冴えてみえる。
普段、でるお(DELLのノートパソコン)で見ているけど、
でるおで見るよりすみこさんでみるほうが断然きれいに見える。
液晶ディスプレイはダメだなと思う。
色の再現性やドットの細かさはCRTディスプレイにはかなわないと思う。
超高級な液晶ディスプレイだったら別だろうけど。

今週はずいぶんサボってしまった。
無断欠席2回。
遅刻(8時間以上)2回。
周りからの風当たりが強くなるかと思いきや
むしろ優しくされている感じがする。
ありがたい。
実際のトコロどう思われているか考えると怖いけど。

さて、よく寝てよく休んで自分らしさを取り戻せたので
再出発です。

ゴー!

2005-06-03 (FRI)

走り出してはずっこけて
舞い上がっては撃墜される。

走り出した瞬間、舞い上がった瞬間は
泣く子も黙るイキオイなのに
片っ端から打ち落とされちゃう。

そんなわけで、だんだん何やってんだかわかんなくなります。
無駄以外の何ものでもない気がして。

だからこそ
飛んだ地点より落ちた地点が
前に進んでるのがわかった時は喜ぶのです。

うげ。
ワインは合わなかったみたい。

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