フェムトセカンド過去ログ

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■2007/4/16 月曜日

茂木研のウェブサイト、浅草博徒一代

さあ今日から研究だ!とかいっていた割に何もせず。茂木研のウェブサイトを更新していたら日が暮れてしまった。HTMLやCSSをいじってウェブページをデザインするという作業は大好きで、没頭するとあっという間に何時間も経ってしまう。

関根さんが書いたわけのわからない生き物の落書きをデジカメにとってパソコンに取り込み、それをイラスト化(イラストレーターでベクトルデータ化)した。それが右の画像。そうしたら、それを是非ともウェブサイトに載せたくなって、そこからデザインの改訂作業がはじまってしまった。でも、いい感じでしょ? メンバー紹介のページ にはこないだ竹むらの前で撮った集合写真をトリミングして載せてみた。これもいい感じだ、と自画自賛。

今日はこの浅草博徒一代という本を読み終わった。この本は読み終わるのが惜しいぐらい面白い本だった。こないだの紀州各駅停車旅行の時に行動経済学の本と平行して読んでいて、ほとんど読み終わっていたが、エモーショナル・ブレインを読み終わるまでとお預けにしていた。
解説から一部引用する 。
・・・本書は1906年に宇都宮に生まれ、明治末期、大正、昭和にわたって生きたある一人のやくざが語ったはなしをまとめたもの。伊地知栄治が語ったエピソードをテープに記録し、のちに巧みな構成の元に詳細にいたるまで忠実に書き起こした筆者佐賀純一の努力に敬服するしかない。じつにおもしろい。
伊地知栄治は十五歳で悪縁に染まり、中学四年の頃、叔父が営む東京深川の石炭屋に預けられる。上京した栄治は、やがてバクチの世界でいきるようになった。木場、浅草といったいわゆる東京の下町を中心とする界隈で暮らした伊地知栄治の人生は、まっとうな世間に生きるわれわれの想像をはるかに超えている。十九歳で初めて巣鴨の刑務所に、さらに殺人の罪で前橋、網走などでも獄中生活を送った伊地知だが、なぜか憎めない人物に感じてしまう。ある部分、共感できることさえある。それぞれの世界で自信たっぷりに生きる男と女たちがいた大正、戦前の昭和という時代にあこがれを抱く人もいるだろう。なお、伊地知栄治は1979年に他界した。・・・(p.424)

この本のあらましをうまく書けそうになかったので引用させてもらった。オレは池波正太郎の書くものが好きなんだけれど、何が好きかというと、古い時代の日本(江戸末期、あるいは明治・大正・昭和前中期)ありありと思い描かせるようなリアリティに溢れた文体だ。登場人物達の話し方が実に小気味よくて、粋だと思う。男は男らしく、女は女らしい色気が言葉の端々に匂い立つ。そして、そういう言葉遣いを成り立たしめる、背後にある濃密な文化・習俗。それがまた実にゆかしくて、どうして今の日本でそういうものが失われてしまったんだろうと思う。
この本は池波正太郎のそれよりもさらに色濃くその色香が漂っている。何せその時代を生きた人の肉声に基いた話なのだ。ハンパない現実味と迫力を備えた文章になっている。本文中から少しだけ引用する。
・・・光公は癪にさわるから、清正を探して、「おい、清さんよ、いくら酔っぱらってるったって、あんなことをされたら兄貴の評判に傷がつくじゃねえか」と文句を言った。普通の居候ならここで素直にあやまって、ひとまず収まるというのが筋でしょう。
ところが清正は、そうではなかった。注意されてカッとなって、言うことにこと欠いて、「てめえら、女中とぐるになって、俺を四六時中見張ってやがるのか」と怒鳴ったんです。
それで光公はカンカンに怒ってね、「この野郎、とんでもねえ馬鹿野郎だ。年上だと思って下手にでりゃ、いい気になりゃがって、その口の利き方はなんだ。手前みたいな野郎は、畜生にも劣るてえ奴だ」と、大声で言い返した。・・・(p.227-228)

ぞくぞくする「やくざの告白」を是非。

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This web site names フェムトセカンド / femto second = 10-15 秒 .
Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1