「最近どうなの?オレ」
「ポテンシャルエネルギーの谷間」
「安定な状態」
「アンチ平衡主義ダロ」
「自分が自分でない気がする。」
「あー活性化しなきゃ!」
「なんかこう、年寄りくさくなってないか?」
「妥協し過ぎてる、諦めてる」
「でも、なんだか疲れてしまったのも事実」
「オレのやりたいことはなんだった?」
「今やってるのは何、何のため」
「すぐに忘れてしまうのはどうしてなの」
「こぼれていくものが減った代わりに得るものも減ったのかも」
「いいのか?これで」
「こんな生き方は初めてです」
「自分の価値観が壊れなくなった」
「壊すことが、生き甲斐だったのに」
「もう強くはなれないの?」
「不安なんです、目が曇っていくんじゃないかって」
「自分の足で立てないぐらいにぜい肉つきやしないかって」
「教えて下さい、オレはどこまで行けるんですか」
「あの時どれぐらい落っこちたんですか」
「いまどこまでのぼってこれたんですか」
「恐いんですよ!」
「行き着く先が地獄だってべつに構わないんですよ、そこが誰も見たことない場所なら」
「でも、
適度に綺麗な花が咲いていて、適度に透き通った水があって、
適度に親しい友達がいて、適度に楽しいことがある
そんな世界はどうしても嫌なんです」
「王様でも乞食でも関係ない」
「問題は最後に見える景色」
「あの頃の激情はもう来ないの?」
「何もかも破壊し真っ黒にして、1から作り上げてしまう力」
そのときの感情をハチマキが正確に言葉にしてくれた。
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全部オレのもんだ
孤独も
苦痛も
不安も
後悔も
もったいなくてタナベなんかにやれるかってんだよ
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「激情に身を焼かれ、いまは恋こがれ、か」
「やっぱりオレは変わってないのかもしれない」
「血の沸くような激情はまた来るか?」
「オレは鳴かず飛ばずの哲学者」