フェムトセカンド過去ログ

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■2008/1/19 土曜日

野澤の認知神経科学(仮題)

実家に帰ってきた。明日はボーイスカウトの隊集会である。

自発的な行為を行う場合にキューとなる刺激がないから、内部状態を参照しているのだろう。という議論をしようと思っている。が、自発条件と対にして考えていたギャンブル条件もキューになる刺激はない。よって、キューのない条件では内部状態を参照するという議論は両方の条件で当てはまることになる。にもかかわらず隣接するトライアル間の反応の差が他方がランダムに近く、他方が一定に近いというのは内部状態が異なる、あるいは内部状態の参照の仕方が異なるということになる。そういう話になってしまうと、脳活動を測定せずには議論ができないじゃん。という、行き止まりにいる。

駅前の本屋をちょっと覗いたら、こういう本があった。「図解・なんとかがわかるシリーズ」的な本。パラパラとめくったら思いのほか良く出来ていた。脳の中の体性感覚ホムンクルス、幻視の話、言語のニューラルコリレイト、など認知神経科学では基本的な話から統合失調症の陽性症状や陰性症状や神経伝達物質とその大脳賦活系の話など精神医学のあたりまで話が及んでいて、プロ向けではないものの記述は一定の水準を満たしていた。テレビやメディアの情報で脳科学に興味はもったものの専門書を読むのは辛いという人におすすめだと思った。
日本人が日本語で書いた認知神経科学、あるいは脳科学の教科書はぜんぜんない。だいたいが英語で書かれた教科書の翻訳か、ある特定の話題に特化したものか、一般向けに書かれた毒にも薬にもならないものばかりだ。そういう現状は個人的にはうらめしく、それならばオレが書いてやるぜ!とか思ったりしている。
脳科学は今や広範な領域を包括していて、それぞれの分野で特化しているだけでは深みのある研究はできないと確信している。分子・細胞レベルでの神経細胞の挙動を理解していなければ、長期増強とよばれるシナプスの結合強度変化を理解できないし、それが理解できなければ記憶・学習のメカニズムを本当に理解できたことにはならないだろう。遺伝子発現制御の機構を理解していなければ、精神疾患を生んでしまう脳内ネットワークを理解できないだろう。ニューラルネットワークの数理を理解していなければ、理解できない認知的現象や錯覚あるだろう。分子レベルと行動レベル、遺伝子と精神症状、認知機能とネットワーク構造、そういう知見を縦横無尽に駆使することで脳を理解せねばならない。
あの話題やこの話題やその話題も、などと野澤の認知神経科学(仮題)の内容を夢想している。
日本語の教科書は直感的で簡素だが、英語の教科書は厳密で重厚だと思う。ヨーロッパのスタイルと日本のスタイルは違うのだと思う。それは発表時のスライドの作り方などにも現れているように思う。日本語の教科書は図を図を多用して、直感的な理解を促すようなつくりになっている気がする。直感的な理解を妨げないように細部にこだわった書き方をあまりしない。一方で、ヨーロッパの教科書はともかく言葉で全部記述しつくそうとし、しかも微妙な差異にも十分こだわって厳密さを損なわないようにしている。だから、図があってもとても具体的なもの(実験データ)を示し、概念図などを示すことは少ない。カンデルは図が多いと言われるし、実際におおいと思うけれども、やはり日本的なスタイルからすると物足りないところはある。逆に日本の教科書はともかく図(イラスト)が豊富なものが多い。が、逆に文字での記述は少ない。と、勝手に思っている。 さらにこれも勝手な考えだけど、そのスタイルの違いは日本語がほかの言語に比べて、かなり「視覚的」な言語だからではないかと思っている。あるいは「聴覚に対する依存度が低い」言語といってもいい。あんまり書くと叩かれそうだし、うまく書ける用意もないのでここらへんでやめとく。

実家に戻ってきて、ちょっと時間があったのでピザ作りをした。ピザ生地を練って寝かせて、明日焼く予定。

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This web site names フェムトセカンド / femto second = 10-15 秒 .
Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1