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キュレーターの長谷川祐子さんのお話を聞く機会に恵まれた。アートのことを真剣に考えられ、アートに全身全霊を持って向かい合っているのが伝わってきた。
「キュレーターにとって、もっとも大事なことはなんだと思いますか?」という質問に対して、すこし間をおいて「アートの力を信じることだと思います」と答えられたのを聞いたとき、胸がぎゅーっとなった。それはまさに、僕の好きなアーティストの内藤礼さんが言っていたことと同じだった。内藤さんも、あるインタビューで「わたしはアートの力を信じているの*」とおっしゃっていた。
*「たくさんのものが呼び出されている」 インタビュー
長谷川さんは、また、「アートはひとを自由にする」ともおっしゃっていた。それがすごく共感できて、そういう風にアートに対する見方を共有できる人がいて嬉しかった。寒い部屋で体を縮こまらせていたのが、次第にまわりの温度が増していき、徐々に体を動かすのが苦ではなくなってきて、いつしか体を動かすことが歓びに変わるイメージが頭の中にあって、コンテンポラリーアートの良質な作品というのはそのイメージの中の温度を上昇させる作用があるものだと思っている。
アートにまつわる言葉で、アンドレ・マルローが言った「芸術とはアンチ・デスタンである」という言葉がはじめて聞いた時からずーっと印象深く残っているのだけど、今日、そのふたつ、「アートはひとを自由にする」と「芸術とはアンチ・デスタンである」のことを考えていたら、畢竟、両者は同じ事を言っているのではないかと思った。運命に逆らうということは、それは自由になるということではないか。
アートには力がある。オレもそう信じている。その力に触れたくて、わけもわからないくせにコンテンポラリーアートを好んで観に行くようになった。そうして密かに、自分もそのような力のあるものを作りたいと思ったりしている。そのような力で、何かを変えてみたい。
それにしても、なんとタイムリーなことか。今週末を利用して北陸旅行に行ってきます。富山県の発電所美術館で内藤礼さんの「母型」展を見て、それから長谷川さんが立ち上げに携わった金沢21世紀美術館を訪れる予定。どんな作品と出会えるだろうか。楽しみ。
ちなみに、12月18日にNHKのプロフェッショナルという番組で長谷川さんが出演される予定です。アートが好きな人は要チェックです!それから、今月号(2007年 12月号)の美術手帖にも長谷川祐子さんの特集があります。
This web site names フェムトセカンド / femto second = 10-15 秒 .
Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1