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昨日はゼミだった。本当なら半月かそれ以上前に自分の番だったのだけど、なんやかんやと予定が入ってゼミに出られず、昨日になった。いままで論文紹介では自分の研究にとって関係のありそうな論文を紹介していたが、今回はそれはやめて、他の人にとって有用で面白いと思ってもらえそうな論文を選んだ。紹介した論文は以下。
Serotonin Transporter Genetic Variation and the Response of the Human Amygdala (Science, 2002) abstract
Beyond affect: A role for genetic variation of the serotonin transporter in neural activation during a cognitive attention task
(PNAS, 2005) abstract
この二つの論文は同じテーマの論文で、セロトニン輸送体のalleleの遺伝子多型によって情動的な刺激を見たときの扁桃体の活動(fMRI)が違うというもの。遺伝子多型と脳活動が関連するというのが面白いと思った。ひとつめの論文がそれで、ふたつめはその扁桃体活動差が情動的刺激に対する活動上昇なのか、中性的刺激に対する活動減少なのかを調べた論文。この論文によると答えは後者だった。これら二つの論文の他にも同じテーマの論文を何本か読んだ。
Amygdala-prefrontal coupling depends on a genetic variation of the serotonin transporter (Nature neuroscience, 2004) abstract
Additive Effects of Serotonin Transporter and Tryptophan Hydroxylase-2 Gene Variation on Emotional Processing (Cerebral Cortex, 2007)
abstract
5-HTTLPR polymorphism impacts human cingulate-amygdala interactions: a genetic susceptibility mechanism for depression (Nature neuroscience, 2005)
abstract
同じテーマだと論文を読みやすい。セロトニン輸送体の遺伝子多型の他に、トリプトファン水酸化酵素の遺伝子多型でも同様の扁桃体活動差が生じる。トリプトファンはセロトニンの原料。
ゼミで発表すると毎回うまくできなかったと途方に暮れるのだが、今回はそうでもなく、わりかしうまくいったんではないかと思った。あまり論文の細かいところ(タスクの詳細やデータの解析の仕方)には言及せず、「つまりどういうことか」ということの説明を重視した。
お昼はあさりでみんなで昼食を食べて、午後は進捗報告。が、ゼミの連絡が急すぎて誰も指名されていなかったので、オレが思っていることを喋ることにした。次にやりたいことはあのボタン押し課題の結果を乱数生成機として評価してみようということ。あと、EEG。ボタンを押す前の数秒前あたりの脳活動はどうなっているのか?皮質間のシグナル伝達の順序・経路がどうなっているのかが個人的にはとても興味がある。自分でも話していて苦しいなーと思うのだが、他に名案が思い付かん。最終的には「野澤くんが知りたいことはなんなのか?」ということがどんな実験をするか、解析をするかを決定する重要なファクターになるわけだが、いかんせん自分でもまだはっきりしない。自発性といったときに、その言葉の中に様々な”自発性と呼ばれるもの”が含意されていることは前々からわかっていて、それらをうまく切り分けることができないでいる。最近はそういうのを考えるのに倦んできたので、「とりあえず、なんか結果がでることをやりたいなー」という科学的に不誠実かつ邪(よこしま)なことを思っている。自分はこれが知りたいなーと思っても、それを知るための手法を思い付かないのでじゃあできることをやろうとすると知りたいこととちょっと違うなとなる。そうやってどっちつかずで動けないでいるよりは行きたい方向とは違くても動いてしまいたいと思う質(たち)なので、そのようなちゃらんぽらんな考えが生まれる。
This web site names フェムトセカンド / femto second = 10-15 秒 .
Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1