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サマープログラム1日目終了。疲れてないと思いつつ、なんかもう眠い(まだ22時)。午前と午後に3時間ずつレクチャーがある。もちろん全部英語。午前中は甘利先生と田中啓治先生。甘利先生のInformation geometryの話は本家本元の先生から聞くと迫力があって面白かった。田中先生の話も、以前聞いたときよりも大分研究が進んだみたいだし、話がとてもうまいのでよくわかった。意外に英語が聞き取れた。午後はTerrence W Deacon先生。脳の発生・進化の話。脳の大きさと進化の関係とか、遺伝子発現パターンの話、最後に岡ノ谷先生の鳥の歌の話。この先生の話はあまり理解できず。なんとなーくならわかるし、問題意識やアプローチの仕方もわかる気がするんだけど細かいロジックや手法などはわからん。やはり英語の壁。けど、去年のSfNで英語の講演を聴きながらその英語のわからなさに、自分の頭を殴りたくなるような苛立ちを感じたりはしなかった。大学院生になって、研究者としての能力は身についた気がしないが、英語の能力は少し向上したかもと思った。
夜はレセプションパーティがあって、立食形式で飲み食い。周りの人と交流を深めるチャンスなのに、全然だめだった。休憩時間とか昼食の時間とかから、なんとか人とコミュニケートしようと心の中では躍起になっているのだが、悲しいほど何もできない。日本人の方とは何人かとお話させていただいたし、海外の方ともほんの少しだけだけど話したが、全然上滑りな会話しかしていなくて自分の思ったようなコミュニケーションはできていない。くっそーオレってばこんなにシャイだったっけと思ったが、そもそもオレは子供の時からシャイなのである。端から見れば自分はけっこう社交的な人間に見えるかも知れないが、社交的に振る舞っているときの自分は内心アップアップしているのである。そう、水面を泳ぐ白鳥が実は水面下では足をばたつかせているように。ものすごーくいろいろ考えて気を遣って神経をすり減らしてはいるが、普段からそういう人間なのだという風に平静を装っているだけである。
今回もそうやってがんばればいいじゃん、ということなのだが、なんだか今回はそれができない。他の人がどう思っているかはわからないけど、オレは結構聞き上手なほうで、幅広い話題に対応できる自信がある。脳科学は本当に広い分野から成り立っているわけで、理論の人がいれば、分子生物学やっている人もいるし、電気生理やっている人もいるし、サルやマウスを扱っている人もいるし、医学系や薬学系の人もいるし、認知科学や心理学やっている人もいる。そのどの話題にもついて行ける自信はあって、話を聞くだけならいろいろと質問をしながら相手から話題を引き出して会話を続けることができる。脳科学に限らず日常においてもそういう風に会話をする。ので、オレは自分のことを話すのがとても苦手。なんだか今回はそうやって相手にたくさん質問して一方的に情報を引き出すだけではいけない気がして、その方法でひとと話をするのは気が引ける。相手と会話をしながら自分の研究のことも話していかないとフェアではない気がする。そしてそれができない。自分には語れるモノが何もないように思う。よしんばあったとしても、それを語ろうとすると英語がついていかないと思う。
それでも、会話をする必然性があればなんとか話せると思うんだけど、いかんせん誰とも会話しなくてもレクチャーを聞く分には問題ない。が、それでは寂しすぎる!ひとりだと寂しいという意味ではなくて、せっかくの機会を無駄にしているという意味で寂しすぎる!というわけで明日はもっとがんばってみます。うへえー
This web site names フェムトセカンド / femto second = 10-15 秒 .
Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1