フェムトセカンド過去ログ

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■2006/10/25 水曜日

またカンデル、ひさびさCSL

昨日は朝9時からシステム神経科学という授業。いかめしい名前の授業だが要はカンデルを読む授業。輪読形式でPart2のMovementの各章を持ち回りで読んでいく。はじめの2回はイントロダクションとして先生が話をしてくれた。昨日が2回目。

やはり、その分野についてわかっている人が話してくれるとすごくわかりやすいし吸収しやすい。いままでおぼろげに断片的に識っていた知識がきれいに体系化され整理されるような印象を思った。先生の話はとても勉強になった。例えばGABAergicのergicというのは作動性と訳すのだけど、GABAによって作動するのか、GABAを出して相手を作動させるのかよくわかっていなかった。答えは後者。ただし、GABAを出すだけで相手を抑制するか興奮させるかは規定していない。どちらの反応をするかは相手次第。染色や層構造についても学ぶことがあった。Nissl染色は細胞体を染色し、大きな細胞体のある3層、5層がよくそまる。5層の細胞体が特に大きいのは大脳以下にまで投射しているからそれだけ大きなエネルギー代謝をするため。その他、こないだの輪読でも話題になった、dendriteとaxonの区別についても一応決着がついたように思う。樹状に突起していて、且つ、神経伝達物質を受ける側の後シナプスがあるものをdendriteという。投射先のaxonの末端はdendriteとは呼ばない。

システム神経科学のシラバス

午後、授業の履修申請を出す。いろいろ考えたが、授業はこのシステム神経科学の他に英語の授業だけとることにした。もっとたくさん授業をとることを考えていたのだが、授業に忙殺されて研究がおろそかになるのが怖かった。というか、授業を研究が進まないことの言い訳にできないようにした。

CSLで茂木さんがD論の予備審査をするから来れる人は来たら、というメッセージが研究室のメーリングリストに流れたので、すずかけからは遠いなと思ったが行ってみた。こうでもして茂木さんや研究室の先輩方と話す時間を作らないと誰かと研究の話ができないのだから困ったものだ。もっともやはり茂木さんとは実のある話はできなかったが。

柳川さんがいろいろ話してくれて、幸福感と自尊心の高さが相関があるという研究があるという話や、他者の目があるときとないときの行動の違いの話をした。高いものと安いものを選ぶときに人の目があると高い方を選ぶみたいな話。研究の話がすこし具体的になったような気がした。でもそれらはMotivationからはやはり離れるように思う。

電車の中で必死に考えてみたら少し前進があって、オレの言うMotivationというのはgoal-orientedな行動と行動の間にあるものなんだという考えが生まれた。あるgoal-oriented behaviourが終わった後に別のgoal-oriented behaviourをするまでに何が起こっているのかというのが知りたいことなのだというのがわかった。なぜ数ある行動の中からその行動を選ぶのか?何故その行動に移るのがその瞬間なのか?そういうことがオレの考えるMotivationなのだと思う。

とはいえ、まだそれで何ができるのかわからない。柳川さんは今の脳認知科学はアイデア勝負だ、ということを言っていたし、さっきの他者の目があるときの行動の違いは実験に落としやすそうなので何かやってみようかと思う。

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This web site names フェムトセカンド / femto second = 10-15 秒 .
Author: 野澤真一 / Nozawa Shinichi
since 2006/4/1