Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0

YouTube: 2008年5月アーカイブ

Qualia of discussing qualia

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この記事は以下のURLに場所が変わる予定です。
http://www.nozawashinichi.sakura.ne.jp/fs/2008/05/qualia-of-discussing-qualia.html

玉川大でワークショップ。
3月に池上研とのワークショップと芸大でのワークショップをやって、
今回は第3弾というところか。
これまでと違うのはいままでは異分野同士のワークショップであったが、
今回は同じ脳科学分野同士のワークショップである。

茂木研という"colsed home"でしか通用しない話じゃ意味はないし、
複雑系やアートの分野ではアウェイ過ぎて通じないこともある。
果たして今回のワークショップはどんな風になるのか、
少し怖くもあったのだが、
よいpeer pressureを受ける機会になったのではないかと思う。

***
「コミュニケーションと意思決定」
5月9日(金) 13:00〜@玉川大学

13:00〜
恩蔵絢子(ソニーCSL)
不確実性と感情

13:30〜
高橋英之(玉川大学)
文脈依存の認知制御と社会性
-自閉症と表情認知からのperspective-

14:00〜
横山絢美(玉川大学)
意図推定に基づく行動決定過程のモデル化とその評価

14:30〜
豊巻敦人(北海道大学)
意志決定の障害としての精神疾患の新しい理解

15:00〜15:15 
Short Discussion
15:15〜15:30
Break

15:30〜
石川哲朗(東京工業大学)
視覚的一発学習の探索行動による解析

16:00〜
福島宏器(慶応大学)
社会的認知の処理の多様性について

16:30〜
岡田浩之(玉川大学)
コミュニケーションにおける非論理的推論の効用
-対称性および相互排他性を巡って-

17:00〜
Long discussion
(茂木さんの指定討論含む)


***

恩蔵さんが見事に自分の話をしていた。
研究テーマが顔の認知に移った後も、
自分の問題意識をしっかりもってドライブしているのが
かっこいい。

ひでまんさんが、解析にエントロピーによる評価を多用していて、
参考になりそうだった。

横山さんの他者の信念を推定するAgentと
能動的に相手に意図を伝えるAgentというのは新しいアイデアだと思った。
上司と部下、のようなheterogeneousな構造ができるのはどうしてか。

豊巻さんの統合失調症のレビューは感動的に素晴らしかった。
以前、精力的に精神疾患について調べていたときに思ったことに
通じることをお話されていて、今度じっくり話をしたいと思った。

石川はイントロの部分でがっちり聴衆のハートを鷲掴みにしていた。
視覚心理をやっている先生からいろいろとアドバイスをもらっていた。

岡田先生の対称性の話は興味深かった。
概念セットがcomplicatedしていて把握していなかったが、
ヒト以外の生き物には対称性がないという話は
何か大きなbreakthroughにつながる気がした。


***

最後に茂木さんがしゃべった。
「トークするなんて聞いてないよ」と言いつつ、
理研でトークしたときのスライドをベースにして、
Qualia と Contingencyについて即興で話をした。

茂木研に入ってから、茂木さんが脳科学という"ホーム"にあたる場で
トークをするのははじめて見た気がする。
もちろんゼミでは何度も茂木さんが
真剣に脳科学の話題で議論する姿はみているが、
茂木研の外でかつ脳科学の場でそういう話を聞く機会は
なかったと思う。

はっきりいって、茂木さんはものすごく誤解されている。
世間一般のひとからも、脳科学のひとたちからも。
本人はそんなことを屁とも思っちゃいないけれども、
僕としてはそういう状況に忸怩たる思いがある。
そもそもオレが心配することでもないのだが、
某所での炎上のこともあって、
ふと考えてしまう。

オレがなんとかする問題でもないし、
茂木さんがその誤解を解くのに奔走するのも馬鹿げたことで、
誤解している人には誤解させておけばいい。
のではあるが、
できたら誤解が解けたらなあと思ってしまう。

茂木さんの話を聞きながら、
はじめて茂木さんを見たときのことを思い出した。
2004年に早稲田の心理学科で「クオリアとはなにか」という題で
講演したときのことだ。

使っているパワーポイントのマテリアルとか、
クオリアよりもコンティンジェンシーに重点をおいて話をしていることとか、
腹のでっぱりぐあいとか、
あたりまえに当時とは違うのだけど、
でも、話を聞きながら感じる「茂木健一郎のクオリア」は
あのころと少しも変わってない。
あるいは「茂木健一郎がクオリアを論じているときのクオリア」。

***

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2008/05/post_34a9.html


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